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トップ > メドック地区 第1級のビンテージワイン > シャトー・ラフィット[シャトー紹介・醸造工程]
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シャトー紹介・醸造工程 |
ボルドー地方メドック地区には数多くのシャトーが存在しています。1855年のパリ万博で、それらのシャトーを公平に評価・格付けする初めての試みが行われ、その場でグラン・クリュ第1級の第1位にランクされたのがシャトー・ラフィットでした。それ以降、格付けの見直しも行われていますが、“世界最高峰の赤ワインの産地”として知られるボルドーの「5大シャトー」の筆頭として、変わらず名声を博しています。
ラフィットへの高評価は、“葡萄の王子”と呼ばれたニコラ・アレキサンドル・ド・セギュール侯爵が所有していた18世紀に、決定的なものとなりました。当時としては革新的だった、「領地を細かく区切り、土地の特性を細かく把握した上で、それぞれを独立したシャトーとする。」 そんな手法を用いて、最良のワインを作り上げてきたのです。
その味は当時のヴェルサイユでも大変な話題となり、ルイ15世が嗜む“王のワイン”として、誰もが欲するステータスシンボルのような存在となっていました。ルイ15世の寵妃ポンパドール夫人の晩餐会にも供され、後の寵姫バリー夫人も“王のワイン”以外は飲まないと語ったほどだったのです。
その後、ラフィットは幾多の変遷を経て、1868年よりロスチャイルド家が所有者となりました。シャトーの歴史と伝統に甘んじることなく、今なお素晴らしいワイン造りのための研究が続けられ、葡萄園とそのワインにさらに磨きをかけ続けています。
1級シャトー・ラフィットは、ポイヤック村の一番北側、ちょうどサンテステフの入り口にある【コス・デストゥルネル】と【ムートン・ロートシルト】に挟まれたところにあります。
このラフィットという名前は、古いガスコーニュ地方の言葉で“小高い丘”を表す「La Hite(ラ・イット)」が訛ったのが由来と言われています。ポイヤック村からD2号線を北上し、ムートンのシャトーが背に見え始めると、“小高い丘”に植えられたカベルネ・ソーヴィニヨンが一面に広がっているのが目に入ってきます。丘の下部には、壮麗なシャトーとピンクに塗られた醸造所、自家菜園がある大きな庭と池。そしてD2号線を通る車からそれらの施設を遮るように、柳がカーテン状に植えられています。
ラフィットでは「約104ha」のブドウ畑を所有してます。小高い丘を登りきったところに、セカンドワインの名前の由来にもなっている“カリュアド”と呼ばれる台地に合計約95.5ha、それ以外に4.5haサンテステフの4級シャトー【ラフォン・ロッシェ】の前にもブドウ畑があります。
その構成は、メドックの主要品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンが70%と最も多く、次にメルローが25%、カベルネ・フランが3%、プティ・ヴェルドが2%、この4品種となっています。
しかし、サンテステフに植えられているということは、「AOCポイヤック」を名乗るラフィットのワインには使用できないはずなのです。その点をシャトーの方に伺ってみたところ、「ラフィットは、AOCという制度ができる以前からその土地に植えられたブドウを使用していたため、特別に使用を許されているのです。」とのこと。伝統ある1級シャトーらしいエピソードでしょう。
そして、やはりラフィットのワイン作りの中心になるのは、下層部に第三世紀の石灰質が存在し、上部は風積土と混じった深く細かい砂利で形成された、“ラ・イット”部分のブドウです。この中の最も古い区画には、樹齢100年以上のブドウも存在するというのですから驚くばかりです。
熟したブドウは、約300人もの人手によって手摘みで収穫され、15人のシャトースタッフが選果を行っています。この選果の作業は最も重要な工程であるため、季節労働者などに任せることはせず、熟練したシャトーのスタッフだけで行っているのだとか。不良果、病果、ブドウの葉などが丁寧に取り除かれ、しっかりと選別された健全なブドウだけが収穫口へ運ばれていくのです。
発酵タンクがある醸造所は、地面と比べて少し低い位置にあります。階段を下りていくと、目の前には120〜270hlの、様々なサイズの29基のリムーザン産のオーク発酵タンクが並ぶ光景が見えてきます。さらに、その隣の部屋には、こちらも多様なサイズのステンレスタンク約30基と、そして収穫されたブドウが運ばれてくる2つの収穫口があるのです。
ここに運ばれてきたブドウは、除梗機によって果梗を取り除かれ、破砕機で少しだけ潰されます。そしてポンプを使用して、区画ごと、品種ごとに分けてタンクに送られ、アルコール発酵が開始されます。発酵は約6〜7日間続き、さらに約20日間の果皮浸漬を行った後、タンクの中でマロラクティック発酵が行われます。こうして出来上がったばかりのワインは、自社製の樽に入れられ、「約18ヶ月間(時には20ヶ月間の場合もある)」の熟成に入るのです。
ちなみに、ラフィットは、外部から購入した樽は一切使用せず、自社で樽の製造まで行っている数少ないシャトーの一つとして知られています。現在、樽工房を持っているシャトーは、【マルゴー】、【オー・ブリオン】、【スミス・オー・ラフィット】などが挙げられますが、100%を自社の樽工房で製造しているのはラフィットのみなのです。
カリュアドの区画の近くにある自社の樽工房には、6人の樽職人がおり、年平均で「2,000樽」をも作り出しているのだとか。樽に使用される素材は、高級オークで有名なフランスのトロンセの森やアリエールのオークで、これをミディアムからミディアム・プラスで焼いた新樽だけが熟成に使用されるそうです。
こういった頑固なまでのこだわりが、高い品質のワインを作り続けるラフィットの素晴らしさだと言えるでしょう。
約18ヶ月間の熟成期間のうち、7ヶ月間は1年目の樽貯蔵室で過ごします。そして、残り11ヶ月間は、ラフィットの有名な“円形樽貯蔵室”へ場所を移し、さらに熟成されます。ここでは3ヶ月に1度の澱引きが行われ、他の有名シャトーと同様に、卵白でコラージュされています。ブレンドは毎年3月頃に行われています。
1年目の樽貯蔵室から円形樽貯蔵室までを、実際に移動してみると、1950年に掘られた地下のトンネルをくぐっていくことになります。
緩やかに上り坂になった長細い貯蔵室には、セカンドワインである『カリュアド』が熟成を続けているのが見えます。この『カリュアド』は、ラフィットとは違い、新樽は20%だけを使用。残りの60%はラフィットに1回使用した樽を、そして残りの20%はステンレスタンクの中で熟成を行っています。シャトーの方の話によれば、ステンレスタンクで熟成を行うのは“フルーティさを残すため”で、主にメルローが熟成させられているのだとか。
カリュアドの樽貯蔵室を抜けてさらに進むと、オーナーのプライベートカーブが見えてきます。17世紀から存在していたというこのカーブと、シャトーの地下にあるカーブを合わせると、「合計15万本」という、途方も無い数のワインが貯蔵されているのだとか。これらの全てのワインは、25年に一度リコルクされ、その際には1滴だけ酸化防止剤が入れられるそうです。
ちなみに、現在の最も古いヴィンテージは、何と「1797年」のラフィットというのですから、驚きですね。
そのカーブを通り抜けてさらに進むと、ようやく有名な“円形樽貯蔵室”に入ります。カタロニアの建築家であるリカルド・ボーフィル設計のこの樽貯蔵室では、2,000樽以上も収納することができるだけの規模があり、ラフィットとカリュアドの両方が2年目の熟成を行ってます。円形に配置された樽の中心部には洗浄器があり、澱引きの後にここで樽を洗浄、殺菌をした後、再度ワインを入れて熟成を続けていきます。
ここで熟成されたワインは、最後に瓶詰めされて、世界中のワイン愛好家に向けて出荷されていくのです。
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