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トップ > メドック地区 第2級のビンテージワイン > シャトー・グリュオー・ラローズ[シャトー紹介・醸造工程]

シャトー・グリュオー・ラローズ

グリュオー・ラローズ 取扱商品一覧 シャトー紹介・醸造工程 グリュオー・ラローズ シャトーの歴史 グリュオー・ラローズ シャトーデータ グリュオー・ラローズ テイスティングコメント

シャトー紹介・醸造工程

創設者はグリュオー神父

グリュオー・ラローズ
グリュオー・ラローズのシャトー全景 [拡大]

1660年頃、【オー・ブリオン】のワインが、イギリスにおいて“ニューフレンチクラレット”と呼ばれて人気を博した時期がありました。一つの均質な原産地を起源とする、それまでには無かったタイプのワインとして受け入れられたのです。それを発端に様々な新参者が現れましたが、グリュオー神父もその一人でした。サンジュリアン村に70haの土地を手に入れて、シャトー・グリュオー・ラローズの基礎を作りました。

早い時期からすでに素晴らしいワインを作り出すシャトーとして知られていて、後継者たちもみな厳格な方針を貫き、シャトーの名声を守っていきます。19世紀初めには後継者問題から2つに分割されてしまいましたが(1855年の格付けではどちらも2級でした)、1935年、ようやく再統合を果たして、かつての姿を取り戻しています。

「200万ユーロ」をかけて畑を改良

D2号線を北上して、【ベイシュヴェル】【ブラネール・デュクリュ】といったシャトーを通り過ぎると、右手にいつも様々な国の国旗をなびかせている【デュクリュ・ボーカイユー】のシャトーが見え、さらに正面には4級シャトー【サン・ピエール】の綺麗なシャトーが突然現れます。

それを目印として、そこからD2号線を離れて、サンジュリアン村の西側に入っていくと、グリュオー・ラローズのシャトーが見えてきます。

グリュオー・ラローズ
シャトーの上から見たブドウ畑 [拡大]

グリュオー・ラローズは、合計「82ha」のブドウ畑を所有しています。最も高いところで「海抜約28メートル」と、サンジュリアンでは最も高い「Plateau d’elite(プラトー・デリット)」と呼ばれる平坦な丘の上にあります。このプラトーは、風化などによって表土が薄いところがあったり、土地の隆起のため下層の構成が異なっていたりと、すぐ隣であっても土壌の性格が微妙に異なるという、非常に多彩な畑なのだそうです。

また、海抜が高いということはそれだけ砂利が多く、堆積する砂礫質の表土が多く残っていることになります(海抜が低いところは風化して削られてしまうため)。このため、非常に水はけが良く、ブドウ栽培には適した土壌となるのです。

その畑には、現在60%のカベルネ・ソーヴィニヨン、30%のメルロー、5.5%のカベルネ・フラン、3%のプティ・ヴェルド、1.5%のマルベックと、なんと5種類のブドウが植えられています。また、平均樹齢も「約43年」と高く、植樹密度も1ha当たり8,500本から、新苗では10,000本の植樹密度となっています。

2005年からは、さらに光合成を促進させるために、ブドウの樹を10センチ高くする“パリサージュ(ブドウの樹の嵩上げ)”という手法を実施していて、現在それがようやく終了したところです。その作業には、何と「200万ユーロ」もの経費がかかったのだとか。また、1997年からは、殺虫剤を一切使用していない“リュット・レゾネ(減農薬農法)”を実践しています。

さらに興味深いのは、畑の中にある雹(ひょう)を発生させない装置でしょう。実を潰したり、ブドウの幹を裂いたりと、雹はブドウ畑に何かと被害を与えるものです。しかし、雹が降りそうだと判断した場合、この機械から音波による衝撃波を出して、上空で雷雲や雹を散らしてしまうのだとか。他のどのシャトーにも先駆けて1993年に設置、1996年から使用されているそうです。

グリュオー・ラローズ
「パリッサージュ」を行ったため、真新しい木に針金が備えられています [拡大]
グリュオー・ラローズ
正面の背の高いものは天候観測用のレーダー。これで収穫時期などの予測をします [拡大]
グリュオー・ラローズ
これが雹対策のための装置です [拡大]

様々な技術を積極的に取り入れる

ブドウの収穫は全て手摘みで行われ、ブドウ畑に移動式の選果台を設置して、選果が行われます。トラクターに載せて醸造所までブドウが運ばれると、1993年に以前のオーナーであったアルカテル社が使用を始めた選果台にて、改めて選果が行われます。

その後、ポンプを使用して、14基のフレンチオーク製タンクと29基のコンクリートタンク(内側はエポキシ樹脂加工されています)に移され、そこで約2日間、10℃で低温マセレーションを行います。

全体の約40%がオーク製タンク、残りがステンレスタンクという比率となっていますが、樹齢の高い区画を優先的にオーク製のタンクで発酵を行うのだそうです。アルコール発酵、果皮浸漬は、合計25〜35日間、31〜33℃と高い温度で行います。

発酵中と浸漬中には、“マスト(ワインになる前の果汁のこと)”を循環させて色素、タンニンの抽出を図る「ルモンタージュ」、炭酸ガスのために上に持ち上げられてしまった粕帽をマストに漬け込む「ピジャージュ」、そしてヴィンテージによっては発酵中にワインを一旦引き抜き、別なタンクに移し変えて、粕帽を空気に触れ合わせる「デレスタージュ」なども行っているそうです。

グリュオー・ラローズ
据え置き型の選果台。ここでは2回目の選果を行います [拡大]
グリュオー・ラローズ
選果後、このステンレスパイプからブドウの粒がタンクへと運ばれていきます [拡大]
グリュオー・ラローズ
空気圧式圧搾機。中のバルーンが膨らんで粕を絞る仕組みです [拡大]

樽は合計で「12社」から仕入れ

グリュオー・ラローズ
14基あるフレンチオーク製のタンク [拡大]

アルコール発酵が終了した後は、果皮浸漬中には「バトナージュ」を行います。このバトナージュは樽で行うものとは少し異なり、上部に分離してしまった粕帽の一番下のマストに接触している部分を専用の器具で攪拌します。こうすることによって、よりワインにコクを出すのだそうです。

2005年のヴィンテージからは、実験的に、最初の6ヶ月間のみバトナージュを行いながらの「シュール・リー熟成」を一部の樽に行っています。しかし、大部分は伝統的に3ヶ月ごとの澱引きを行いながら16〜18ヶ月間の熟成を行います。

グリュオー・ラローズ
29基のコンクリートタンク。内側はエポキシ樹脂加工されています [拡大]

果皮浸漬の終了後、ワインの引抜を行い、約45〜50%は新樽、残りはタンクの中でマロラクティック発酵を行います。これはタンニンの量を測って、多いものをなるべく新樽の中で行っているそうです。ワインにフルーティさを残すため、敢えて新樽比率は抑え気味にしています。この比率によって、樽で行うマロラクティック発酵の比率も変えていくのです。

使用する樽は、何と合計で「12社」から仕入れているそうです。焼付けはミディアムで、全てフレンチオーク、特に“エクストラファン”という木目の細かいものを使用しています。

最初の6ヶ月間は、地上階にある樽貯蔵室で品種ごとに分けて熟成した後に、ブレンドを行います。ブレンド終了後はまた樽に戻して、地下にある樽貯蔵室にて残りの熟成を続けていきます。

熟成が終了すると、自社製の瓶詰め機械で瓶詰めを行い、いよいよ出荷となります。

グリュオー・ラローズ
最初の6ヶ月間、地上階にある部屋で熟成を行います [拡大]
グリュオー・ラローズ
6ヵ月後、地下にある樽貯蔵室へと移されて、さらに熟成を続けていきます [拡大]
グリュオー・ラローズ
自社製の瓶詰めの機械 [拡大]

ジロンド川からの恩恵は少ないが

グリュオー・ラローズ
古いヴィンテージ用のカーブ。最も古くは1815年、格付けの年である1855年のものまでありました [拡大]

グリュオー・ラローズのシャトーは【デュクリュ・ボーカイユー】【レオヴィル・ラスカーズ】といった、同じアペラシヨン内の2級シャトーと比較すると、より内陸側に位置し、ジロンド川から少し離れています。

川に近ければ近いほど、沢山の砂利が堆積しています。また、春には川から温暖な空気が流れ込むため霜の害を避けれたり、夏場に気温が上がりすぎた時でも、川からの冷たい空気のおかげでブドウが熱くなりすぎないなど、様々な恩恵が受けられるのです。

グリュオー・ラローズは、ジロンド川からの恩恵という点では、周囲のシャトーよりも少ないかもしれませんが、その反面、「畑の多彩さ」「海抜の高さ」といった、他には無い利点もあるのです。一見、畑の環境は今ひとつに見えてしまうかもしれませんが、2級に格付けされているという実力は間違いないところでしょう。

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