Ch Lascombes
シャトー・ラスコンブ


- メドック地区 マルゴー

- シャトー・ラスコンブ

- 赤/フルボディ/フルーティで凝縮感あり

- メドック2級

- カベルネ・ソーヴィ二ヨン50%、メルロー45%、プティヴェルド5%
各ワイン評論家からの評価 (★…1点/☆…0.5点)
| ロバート・パーカー (第4版) | ★★★(3点/4点満点中) |
|---|---|
| ヒュージョンソン (第5版) | ★★★ (3点/4点満点中) |
| ル・クラスモン (2006年度版) | 評価なし |
| ゴー・ミヨー (2006年度版) | ★★★(3点/5点満点中) |
シャトー・ラスコンブは、17世紀、初代オーナーとなった騎士ラスコンブ氏により命名された2級シャトーです。
マルゴー地区で最も規模の大きいシャトーの一つであると同時に、最も良く話題にのぼるシャトーともなりました。その理由は、2001年、アメリカ、フランス、イギリスなどの各国の企業によって作られている投資組合コロニーキャピタルがオーナーとなり、様々な取り組みがなされ、各方面から多大な注目を集めているためです。
同社は、徹底的に地質調査を行い、メドックでは珍しい粘土質石灰岩の土壌をもつ区画には、その土壌を活かすためカベルネ・ソーヴィニヨンからメルローへの植え替えを行いました。同時に、メルローの醸造に詳しい有名なコンサルタントのミッシェル・ロラン氏やアラン・レイノー氏といった腕利きのコンサルタントたちを多数迎えたのです。
その他にも、厳しい収量制限や選別の実施、光合成を促進させるためブドウの畝を35cm高く伸ばす、カベルネ・フランをカベルネ・ソーヴィ二ヨンに再度接木する、10kg入りの収穫カゴの採用、選果台の設置、醸造所の改造、ワインの醸造方法の変更など、幅広く改革に取り組んでいるのです。
そのワインは、メルローの比率が高く、口当たりが滑らかで上品な印象。凝縮した果実味が広がり、タンニンが溶けたまろやかな味わいに仕上がっています。1980年代、90年代には冴えないビンテージもあったことも確かなのですが、そうした中でも掘り出し物が見つかる可能性も捨てきれないと言えるでしょう。
良いメルローが出来る土壌をいかして
シャトー・ラスコンブは、現在、マルゴー地区で最もよく話題に上るシャトーのうちの一つです。その理由は、2001年に「コロニーキャピタル」という、アメリカ、フランス、イギリスなどの各国企業によって作られている投資組合がオーナーとなり、様々な最新の取り組みを行っているためです。
D2号線を北上し、マルゴー村から出た辺りまで達すると、ラスコンブのシャトーが見えてきます。ラスコンブは、合計「84ha」のブドウ畑を所有しているのですが、ブドウ畑は色々な場所の飛び地になっていて、非常に分かりにくくなっています。植えられている品種は、ブドウ畑には50%のカベルネ・ソーヴィニヨン、45%のメルロー、5%のプティ・ヴェルドという比率になっています。
ラスコンブのブドウ畑の構成は、大きく分けて3つのタイプがあり、当然その土壌にあった品種が植えられています。まずは、サンテミリオンのプラトー部分と同じ粘土質石灰岩の区画で、ここには最適のメルローが植えられています。そして、水はけの良い砂利質の区画には、カベルネ・ソーヴィニヨンとプティ・ヴェルドが。そして、最後の一つが、特殊な砂利質の12haの区画となります。
この区画は、表土に砂利が多いのですが、表土の層は「約30cm」と薄く、その下に粘土の層があるのです(カベルネが植えられている砂利質のところも下に粘土がありますが、表土が厚いためそこまで根は伸びません)。
以前は、この特殊な区画にもカベルネ・ソーヴィニヨンを植えていました。しかし、水はけが良いと思われたこの区画は、実際には下部にある粘土の層が水分を溜め込んでしまう上に、その層までブドウの根が伸びていたため、水分供給が過剰になってしまっていたのです。このため、出来の良くないブドウしか育たなかった区画となっていたのです。
しかし、2001年の地質調査によってこの事実が判明し、この区画はカベルネ・ソーヴィニヨンからメルローへと植え替えられました。
この地質調査以外にも、2001年からラスコンブは様々な改革を行いました。ブドウの畝を35cm上に伸ばすようにして、ブドウの葉が多く付けさせてより多くの光合成を促進させたり、それまで植えていたカベルネ・フランをカベルネ・ソーヴィニヨンに再度接木をしたりしました。それ以外にも、収穫には10kg入りの収穫カゴを採用、選果台の設置、醸造所の改造、ワインの醸造方法の変更など、実に多岐にわたってシャトーの改革に乗り出したのです。
新テクニック“発酵前低温侵漬”を採用
収穫は全て手摘みで行われ、破損を防ぐために10kg入りの収穫カゴに入れられて、醸造所まで運ばれます。そして、まず合計2レーンあるうちの1番目の選果台にかけられます。ここでは、左右に1人ずつ立ち、そこで病果、不良果、ブドウの葉などを取り除いていきます。選果されたブドウはエレベーターを上り、除梗機にかけられると、果梗から離されたブドウの粒が2番目の選果台へと落ちるようになっています。そこで、今度は最初の選果よりも多い4人(時には8人で行うとか)で、除梗機で取り除けきれなかった果梗を取り除くのです。
ブドウの粒が選果台の一番端まで来ると、中にドライアイスが入った、大きなステンレス製の入れ物に入れられます。ブドウを冷やしながらエレベーターに乗せ、3階にまで上げられて、そこで移動式の破砕機にかけられ、ブドウはそのままステンレスとびオーク製のタンクの中へ落ちていくのです。
ブドウは約4〜5℃の低温で、そのまま約10日間保たれ、発酵を抑えた状態にされます。これは“発酵前低温侵漬”と呼ばれる新しいテクニックで、2001年からコンサルタントとして招聘された右岸の有名人ミッシェル・ロラン氏からの提案だったそうです。
この方法によって、ワインの色の素であるアントシアンの抽出を先に行うため、ワインのフルーティさが失われず、さらに色の濃いワインが出来上がるという仕組みなのだとか。
10日の低温侵漬が終了すると、ワインの温度を上昇させて選抜された酵母を添加、アルコール発酵を促します。発酵中は温度を28℃に保ち、ワインへの酸素供給の時間も含めて、「合計45分/回」のルモンタージュを、1日2回、約1週間、繰り返します。これが終了すると、また1日2回ずつのルモンタージュを行いながら、2〜3週間の果皮浸漬を行います。
発酵段階でも様々な工夫が
この後は、これも2001年から取り入れている、メドック地方ではまだまだ珍しい“樽の中でのマロラクティック発酵”に移っていくことになります。
ヴィンテージによって変わりますが、80〜100%の新樽にワインを入れます。使用する樽はフレンチオークで、アリエールとニエーブル産。焼付けはミディアムとミディアム・プラスの併用で、約5社から購入しているそうです。樽へと移した後、樽貯蔵室の室温を21度まで上げ、ワインにマロラクティック発酵を起こさせるのです。
ワインが樽に入れられてから、最初の4ヶ月間は澱引きをせず、そのまま上澄みと澱を一緒にしておくのが普通です。こうすることによってワインにより複雑みが出て、香りが豊かになり、タンニンがまろやかになるのです。しかし、ずっとそのままの状態にしておくと、樽の下部に沈殿した澱が異常な発酵を始めてしまうことがあるため、通常は“バトナージュ”というステンレス製の器具を用いて攪拌が行われます。
ここでまた、2001年から採用された、バトナージュに変わる“オクソライン・ラック”というものが登場します。これは、ローラーがついたラックで、ワインの樽を上においてその樽を回すことが出来るようになっているものです。これは元々は白ワインに使われる“シュール・リー(澱の上、の意)”というテクニックを取り入れたものでした。
オクソライン・ラックを使用することによって、シュール・リーをしながら、定期的に樽を回転させることが出来るようになります。このため、下部に沈殿した澱がワインの中に舞い、ちょうどバトナージュをしたのと同じ効果が得られるという理屈なのだそうです。
シュール・リーは4ヶ月間だけ行われます。2月にブレンドを行い、3〜4ヶ月に1回の澱引きをエアープレッシャーを使用して行い、卵白でのコラージュを行います。これらはワインを樽に入れてから合計18〜20ヶ月の熟成中に行われ、それらの工程を経て瓶詰めされていきます。
ミッシェル・ロラン氏の改革は続く
ラスコンブは、メドックには珍しい「粘土質石灰岩」の土壌があるブドウ畑を所有しているため“非常に良いメルローが出来る”という利点をいかした、独特のワイン作りに取り組んでいます。メルローの醸造に詳しい、右岸のミッシェル・ロラン氏を招聘した点など、2001年から様々な変化を遂げてきました。
次々と革新的な手法を取り入れることで、低迷期という悪評を払拭して、徐々に格付け2級の名声を取り戻しつつあるようです。






















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