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トップ > メドック地区 第2級のビンテージワイン > シャトー・レオヴィル・ポワフェレ[シャトー紹介・醸造工程]
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シャトー紹介・醸造工程 |
サンジュリアン村には、“レオヴィル”と名のつくシャトーが3つあります。【レオヴィル・バルトン】と【レオヴィル・ラスカーズ】、そしてこのレオヴィル・ポワフェレです。もともとは一つだった畑が分家して出来たもので、レオヴィルの下の名前には、分家当時の所有者の名前がそのまま残っているのです。
ポワフェレ男爵がレオヴィル家から畑を購入したのは1821年のことでした。この時からシャトーはレオヴィル・ポワフェレの名前を名乗るようになりました。
過去には作り出したワインがなかなか評価されない時期もあったのですが、1979年に情熱的なディディエ・キュバリエ氏をシャトーに迎えてから、再び高い評価を得るようになりました。
レオヴィル・ポワフェレが所有する畑の中でも最良とされている部分は、サンジュリアン北側のD2号線沿いの区画です。45万年前に堆積したと考えられている砂礫質の砂利から構成された「マンデルII」と呼ばれる土壌の部分と、サンジュリアンとポイヤックの境界線付近にある砂を含んだ「ルビソル」部分があり、それらの表土の下側には石灰岩の層があります。
この区画は、【レオヴィル・ラスカーズ】と【ピション・ロングヴィル】の畑に隣接していて、ジロンド川からもすぐ近いため、春先の霜の害などの影響を受けにくい、非常に良い場所とされています。この畑から採れるブドウは、主にグランヴァン(=偉大なワイン)との評価が多いレオヴィル・ポワフェレに使用されるのです。
レオヴィル・ポワフェレは、この区画以外にも、もう少し西側の部分と南側にある部分も所有しており、合計「80ha」となります。西側の部分は、砂礫と砂利で構成されているところや粘土が比較的多いところに分かれており、南側はマンデルにIなっています。
現在、レオヴィル・ポワフェレでは、このブドウ畑に58%のカベルネ・ソーヴィニヨン、31%のメルロー、9%のプティヴェルド、2%のカベルネ・フランを植えています。この地域の他のシャトーと比較して、メルローの比率が高いのが特徴でしょう。また、他の有名シャトーと同様に、「リュットレゾネ」と呼ばれる、いわゆる“減農薬栽培”を採用しています。
ポワフェレの畑の最も特徴的な点は、ブドウ畑を中耕する際に、“1列を中耕したら、もう一列はそのまま草を残す”というユニークな方法も取り入れていることでしょう。
こんな変わった方法を取り入れているのには、もちろん理由があります。それはポワフェレの畑、特に主要な品種となるカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの樹齢が「25年」と若いためです。
これは、70年代にはブドウが植えられていなかった場所に新たに植え替えを行い、それが98年にようやく終了したため、まだまだ成長しきっていない若木が多くあります。そこで、敢えて畑に雑草を残すことで、ブドウの樹と雑草を競争させて、よりブドウの樹の根が深く伸びるように成長を促しているのです。
ブドウの樹と比べると明らかに雑草の方が強いため、表面の水分は雑草に奪われてしまいます。このため、ブドウは根をさらに地中に伸ばして、深いろころから水分を取らなければいけなくなるのです。こうすることで、ミネラル分が豊富に含まれている地中の奥深くにまで根は達し、ブドウの実にもより多くのミネラル分が行き渡ることになるのです。
ちなみに、中耕せずに雑草を全て残してしまうと、もともと水はけの良い砂利が多い区画のため、今度はブドウの樹が渇水状態に陥ってしまうのだとか。“1列を中耕したら、もう一列はそのまま草を残す”という一見奇妙な方法には、こんな意図が隠されているのです。
こうして丁寧に育てられたブドウは、選果をしながら手摘みで収穫されます。ブドウが潰れないように、容量の小さい収穫カゴに入れられて醸造所まで運ばれます。醸造所の外でさらに2回(16人×2回で延べ32人)の選果を行い、健全なブドウ果のみが破砕機で潰されて、26基あるステンレスのタンクへと運ばれていきます。
レオヴィル・ポワフェレの醸造所は、少し分かりにくい、不便そうな構造になっています。これは、元々一つだったシャトーが3つに分かれた際に、建物も同様に分けられてしまったため、醸造設備と樽貯蔵室が離れてしまっているのです。
この構造はポワフェレのスタッフにとって、長い間、悩みの種となっていたのだとか。単に作業しづらいだけではなく、あまり長い距離を移動させたりすると、ワインにストレスがかかってしまう可能性もあるからなのです。現在、この問題を解決するために、事務所の正面に新しい樽貯蔵室と醸造所を作っているところだそうです。
醸造所のステンレスタンクに入れられたブドウは、すぐに発酵を始めずに、低温での「マセレーション(果皮浸漬)」を行います。よりフルーティで深い色のワインが出来上がるという新しいテクニックで、ここでは2000年から採用されています。
充分に色素を抽出した後で、酵母を添加してアルコール発酵を開始します。現在、ポワフェレでは、自社でこの酵母の研究にも取り組んでいるそうです。
発酵は28〜30℃で1週間ほど行い、その後、さらに15〜25日の果皮浸漬を行います。それが終了すると、50%は樽の中で、残りの50%はタンク内でマロラクティック発酵を行います(2007年からは100%を樽の中で行う予定)。
こういったテクニックは、右岸の有名醸造家であるミッシェル・ロラン氏が加わってから取り入れたそうです。確かに、彼が入る前と入った後では、ポワフェレのワインのスタイルが変わったことは間違いなさそうです。
マロラクティック発酵が終了した後、フランス製オークの新樽70%と1回使用した樽30%の中に入れて「18ヶ月」の熟成を行っていきます。
3ヶ月に1度澱引きを行い、コラージュは殺菌された「アルブミン」を使用しています(※ アルブミンとは卵白の65%を占める主成分たんぱく質のこと)。シャトーによっては、作り方を変えることで味も変わってしまうことを怖れて、未だにコラージュには生卵の卵白を使用しているところも数多くあります。しかし、これは実はEUの法律では禁止されていて、事前に申請をしておかなければ違法行為になってしまいます。ポワフェレでは律儀にこの法律を守って、新しい方法に取り組んでいるのです。
こうして熟成を終えたワインは、軽い濾過をした後、瓶詰めされ世界中へ出荷されていきます。
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