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トップ > メドック地区 第3級のビンテージワイン > シャトー・カントナック・ブラウン[シャトー紹介・醸造工程]
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シャトー紹介・醸造工程 |
D2号線を北上し、シャトー【ジスクール】があるラバルド村を抜けてカントナック村に入ると、左手に非常に緩やかな傾斜を持つ丘が見えてきます。これは“プラトー・ド・カントナック(カントナックの台地)”と呼ばれる丘で、ブドウ畑に適した土壌を持つことで知られていて、比較的平坦な土地が多いこの辺りでは珍しい地形です。
3級シャトーのカントナック・ブラウンはその台地の西南部分にあり、そのすぐ隣には2級シャトー【ブラーヌ・カントナック】があります。
カントナック・ブラウンのブドウ畑は合計「42ha」ありますが、この台地の部分に所有しているのは、残念ながらわずか19haに過ぎません。その他の畑は、マルゴー・アペラション北部にあり、砂利の中に砂質が多く混じってくるのが特徴のアルサック村、スーサン村、中心部にあるマルゴー村、カントナック村、粘土の比率が高くなる南部のラバルド村へと飛び地しているのです。
カントナック・ブラウンは、2級シャトーの【ピション・ロングヴィル・バロン】と同様に、1987年にフランスの大手保険会社であるアクサ保険のグループ会社である「アクサ・ミレジム」に購入されました。
同社はすぐに多大な投資を行って、18ha分のブドウ畑へドレインパイプを設置するなど、排水工事や醸造設備の刷新を図ってきました。同時にブドウ畑の管理方法も見直されて、“リュット・レゾネ”という減農薬栽培を導入し、ブドウの木の丈を高く導く工夫などが取り入れられたのです。
ピション・ロングヴィル・バロンがすでに取得済みの、環境マネジメントシステム規格の「ISO14001」を申請していることからも分かるように、環境に配慮をしながらワインの品質を高める努力を続けています。
現在では、シリア系イギリス人のシモン・ハラビ氏がシャトーを購入し、新しいオーナーとなっていますが、その姿勢は何ら変わることはありません。
カントナック・ブラウンのブドウ畑には、65%のカベルネ・ソーヴィニヨン、30%のメルロー、5%のカベルネ・フランが植えられており、マルゴー地区のシャトーが最近多く植え始めたプティ・ヴェルドは今のところ全く植えられていません。水はけの良い“カントナックの台地”部分には、ほぼ全てカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられているそうです。
ブドウの収穫は全て手摘みで行い、醸造所まで運んできてから2台の選果台によって選果を行っています。この選果台は、4人〜8人で作業できる最新のもので、アクサ保険がオーナーになってから購入されました。まずはこのシャトーに導入して様子を見て、結果が良好だったことから、ピション・ロングヴィル・バロンの方にも導入を決定したのだそうです。
その後、合計「28基」あるステンレスタンクの中で、約15日間アルコール発酵、平均して約15日間の果皮浸漬を行います。発酵中の温度は29〜30℃と、少し高めなのが特徴的です。
次に、地下にある合計10基のコンクリートタンクへと、タンクごとに、発酵が終了した順に、ポンプを使用せず移動させて、ワインの引抜を行います。
フリーランジュースの約30%はプレスジュース新樽の中で、残りの70%はタンクの中でマロラクティック発酵を行い、終了後は樽に入れて熟成を行います。熟成に使用する新樽の比率は50%で、残りは1度使用した樽を使用。樽は合計7社から購入し、ほとんどがフレンチオーク製で、一部でアメリカンオークも実験中だそうです。
合計で15〜18ヶ月の熟成中には、他のシャトーと同様に3ヶ月に1度の澱引き、卵白を使用したコラージュを行います。最後に軽く濾過をして、瓶詰め作業へと移ります。
カントナック・ブラウンについて特筆すべきことは、まず“15年前からずっと同じ人に収穫に来てもらっている”ということでしょう。収穫にあたる人間が毎年変わってしまうと、当然ブドウの品質に差が出てきてしまいます。そうした事態を防ぐために常に同じ人に依頼をしているのですが、人手を確保するだけでも大変なことでしょう。
こうした方法は、収穫の際に特に慎重な選果が要求されるソーテルヌのシャトーが多く取り入れている方法となります。
また、ステンレスタンクがある部屋にもちゃんと空調設備を完備して、ステンレスタンクの“外気の影響を受けやすい”という欠点を、しっかりと補っていることも見逃せない点でしょう。細やかな配慮が感じられます。
一時期はやや評価を落とし、スランプに陥っていたと噂されていたシャトーですが、ここに来て確実に復活しつつあると言えるでしょう。
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