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トップ > メドック地区 第3級のビンテージワイン > シャトー・ジスクール[シャトー紹介・醸造工程]

シャトー・ジスクール

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シャトー紹介・醸造工程

マルゴー地区の最も南側に位置するシャトー

ジスクール
ジスクールのシャトー全景 [拡大]

ボルドーからD2号線を北上して、シャトー【ラ・ラギューヌ】【カントメルル】があるオー・メドックを通り抜けると、マルゴー地区が始まります。

すると、すぐにマルゴー地区の最も南側に位置する、3級シャトーのジスクールの看板が見えてきます。オー・メドックにもマルゴーにもブドウ畑を持つシャトー・ジスクールは、この両地区の境目の辺りにあり、この看板を見ると“マルゴー地区に入った”ということが実感できることになるのです。

ジスクール
D2号線から敷地内に入るところに新しく設置された門 [拡大]

最近になって、D2号線からジスクールのシャトーへと向かう道の入り口に、大きな門が作られました。以前はここには看板があるだけで、初めて来る方にはどの方向にシャトーがあるのか全く分からないような状態だったのですが、この門ができたおかげでそんな不便さも解消されました。

近年のジスクールでは、シャトーの豪華な部屋を、ホテルとして旅行者に開放しているだけではなく、セミナーやランチ、ディナーなどにも積極的に貸し出しを行っています。新しくて立派な門は、そうしたゲストの方々に対する豪華さの演出であったり、由緒正しい3級シャトーとしてのイメージアップ戦略を目的としたものなのかもしれません。

敷地内には10haの“人工湖”が

ジスクールのシャトーがあるのは、マルゴー・アペラシヨンの中にある5つの村の中でも、最も南側にあるラバルド村です。格付けシャトーが集中しているマルゴー村、カントナック村と比較すると、この村には3級のシャトー・ジスクールと5級のシャトー【ドーザック】の2つだけしかありません。

シャトー・ジスクールの畑は、マルゴー・アペラシヨンに80ha、オー・メドックに60haと、大きく2つに分かれています。その中で最も良いとされているのはシャトーの前方に広がる小丘の部分です。シャトーからD2号線へ向かって、ゆったりと上りの傾斜になっていて、最も高いところでは海抜約20mにまで達するのだそうです。

ジスクール
環境に配慮して、敷地内に設置された浄水場。2001年1月にはISO9002も取得しています [拡大]

また、表土は砂を含んだ砂利質。この砂利質の層からその下にある粘土層までは、最も深いところだと10m以上にも達することが分かっているのだそうです。

「畑が小丘の上にある」「表土に厚い砂利質がある」となると、メドックでも非常にポテンシャルの高い畑の条件を兼ね備えているように思えます。

しかし、ただ唯一欠けているものを挙げるとすると、ポイヤックやサンジュリアンなどの有名シャトーのブドウ畑と比べると、この畑はジロンド川から離れてしまっていることでしょう。春の霜から免れるとともに、夏の過度の温度上昇を抑えられるという恩恵が受けられるため、“メドックの良いブドウ畑からは川が見える”という格言があるほど、川に近いというのは好条件だとされているのです。

この点を補うために、現所有者であるエリック・アルバダ・イェルヘルスマの前のオーナーで、1952年にシャトーを購入したニコラ・タリは、合計300haの広大な所有地(ブドウ畑、シャトー、馬小屋など全てを含む)の中に、何と10haの“人工湖”を造ってしまったのです。良いワインを作ることへの情熱が感じられるエピソードですが、何ともスケールの大きな話ですね。

ジスクール
シャトーの前の区画。小さい丘になっているのが分かります [拡大]
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表土には沢山の砂利がありますが、ポイヤックやサンジュリアンの畑と比べるとやや小ぶり [拡大]
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訪問者への説明用に、ジスクールの土壌を縮小して再現したもの。砂利の多さが目立ちます [拡大]

品質向上のための投資は辞さない

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植え替えられた区画。畝間が狭くなっていて、より密植されています [拡大]

現在、ブドウ畑には55%のカベルネ・ソーヴィニヨン、40%のメルロー、5%のカベルネ・フランが植えられています。植替えを行ったことにより、平均樹齢は「35年」と少し低めです。

植樹密度は「1ha当たり10,000本」という区画もあります。これは各ブドウに競争をさせ、より下層まで根を張らせることを目的としたものです。こうすることによって、より多くのミネラル成分などを地中奥深くからブドウへ吸収できるようになるだけではなく、互いに水分を取り合うことによって各ブドウに含まれる水分量が少なくなり、凝縮したブドウが出来るようになるのです。

ジスクール
こちらは植え替え前と思われる区画。畝間が広めなのが分かります [拡大]

収穫は手摘みで行われています。容量の小さいカジェットに入れられたブドウは、醸造所まで運ばれて選果され、除梗・破砕を行った後、ステンレスタンクとコンクリートタンクの中で醸造が行われます。

約28〜30℃でアルコール発酵を行い、果皮浸漬を行った後、4分の1は樽内で、残りはタンクでマロラクティック発酵を行います。タンクでマロラクティク発酵を行ったものも、終了後は樽に入れられ、合計18〜24ヶ月間の樽熟成を行います。

グランヴァンであるシャトー・ジスクールには、他のトップクラスのシャトーと同じように新樽を100%使用しています。もちろん“新樽を多く使えば使うほど良い”ということではありませんが、それだけのコストを掛けていることは間違いありません。今後は、樽香が強すぎるなどの理由から、この比率が下げられることもあるかもしれませんが、“ワインの品質向上のためなら投資は辞さない”というジスクールの断固とした姿勢がよく表れているように思います。

最初の6ヶ月間はシュール・リーを行いますが、バトナージュは行いません。その後3ヶ月に1度の澱引きを行い、粉末卵白を用いてのコラージュはタンクで行います。そしてようやく瓶詰めとなります。

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オーメドック側の畑のブドウ専用の醸造設備。別の地区のブドウを同じ施設で醸造することは禁じられているためです [拡大]
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醸造にはコンクリートとステンレスが使用されています。一番良い区画はコンクリートで醸造するのだとか [拡大]
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こちらは屋外にあるステンレスタンク。屋外に設置しているところは珍しいですね [拡大]
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新樽100%で熟成を行うため、目減りしたワインを補うウイアージュという作業が必要になります [拡大]
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「Chauffe moyenne」とは、樽内部の焼付けがミディアムで行われていることを表します [拡大]
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コラージュはタンクで行います。現在コラージュが終了し、上澄みを取り出しているところ [拡大]

“お買い得ワイン”として脚光を浴びる

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シャトー・ジスクールにて2002年を試飲をしているところ [拡大]

シャトー・ジスクールは、現オーナーであるエリック・アルバダ・イェルヘルスマが買い取ってからすぐに不祥事を起こしてしまったという過去があります。その名誉を挽回するために地道な努力を続けてきた結果、このシャトーのワインは品質も向上してきて、近年ではフランスでもよく“お買い得ワイン”として取り上げられることも増えてきました。

一時の低迷状態からは脱し、その歴史に相応しい、注目すべきシャトーとして完全に生まれ変わったようです。

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