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トップ > メドック地区 第3級のビンテージワイン > シャトー・ディッサン[シャトー紹介・醸造工程]

シャトー・ディッサン

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シャトー紹介・醸造工程

“プラトー・ド・カントナック”の上で

ディッサン
ディッサンの醸造所です [拡大]

ボルドーからD2号線を北上して、カントナック村に入ると、蔦で覆われた有名な4級シャトー【プリューレ・リシーヌ】が左手に見えてきます。そこを通り過ぎるとすぐに、石垣に覆われた、ゆっくりと傾斜したブドウ畑が見えてきます。

その石垣の中には、15世紀に作られたという堀に囲まれて、壮麗な17世紀の建築のシャトー・ディッサンのシャトーがあります。

ディッサンの畑は、有名な“プラトー・ド・カントナック(カントナックの台地)”の上と、その南東部斜面に広がっていて、合計「53ha」の面積があります。D2号線から東へと傾斜したところに位置しているため、非常に水はけが良いのが特徴で、一部の水はけが良くない区画でも、排水工事を行ってあるそうです。

プティ・ヴェルドを植えない理由とは

ディッサン
ディッサンに使用されるブドウが採れるカントナックの丘の一部。奥の電線があるところがD2号線です [拡大]

ディッサンの栽培品種は、70%のカベルネ・ソーヴィヨンと30%のメルローの2品種となります。

マルゴー地区というと、近年ではどこのシャトーでもカベルネ・フランを減らして、その代わりにプティ・ヴェルドを多く植えはじめています。ディッサンのすぐ隣に位置しているシャトー【パルメ】でも、全体の6%にあたるプティ・ヴェルドを植えているのです。

この日、話を伺ったブエルさんに、何故プティ・ヴェルドを植えていないのかと、直接質問してみました。

「プティ・ヴェルドがマルゴー地区のテロワールに適した品種であることは、様々なシャトーが増やし始めたことからも分かります。ディッサンでも植えようとしたことがあったのですが、問題はクローンの品質なんです。カベルネ・ソーヴィヨンやメルローは様々な種類のクローンがあるのですが、まだマイナーな品種であるプティ・ヴェルドは、これが現在1種類しかありません。このクローンでは、せっかくのプティ・ヴェルドも非常に大きなブドウの粒がついてしまって、とてもじゃないけど良いワインに使えるブドウは出来そうにも無いんですよ。」

ディッサン
砂利を含んだ粘土質の土壌。色々な土壌の土地が点在しています [拡大]

続けてブエルさんは、「ディッサンは今までプティ・ヴェルドを植えてきませんでした。そのため、他のシャトーのように、すでに植えてある樹齢が高く良い品質のブドウを付けるプティ・ヴェルドの樹から穂木を取って増やす、“マッサル・セレクション(マッサル選抜)”が行えないんです。」 と説明してくれました。

さらに、畑の話に移った際には、「確かにプティ・ヴェルドがないのは残念なのですが、ディッサンの畑の素晴らしいところは、砂利質・砂礫質・砂利を多く含んだ粘土質・粘土質石灰岩というように、非常に畑のバラエティが豊かなことなんです。このおかげで、同じ品種でも区画によってかなり性質が異なるブドウが取れるので、2品種だけでも充分に複雑な香り、味を持つワインが出来るんですよ。」 と、ここの畑の素晴らしさを説明してくれました。

ステンレスタンクを増設

ディッサンでは、収穫はすべて手摘みで行い、移動式選果台を使用して畑の中で選果を行います。収穫されたブドウは、実が潰れにくいように、横幅が広く深さが浅くなっている荷台に入れられ、トラクターに乗せられて醸造所まで運ばれます。

醸造所では、約8m上にある2階収穫口まで、ベルトコンベア式のエレベーターを使用してブドウを上げ、除梗機へとかけます。選果台で改めて選果を行った後、破砕して、ビス式のポンプ(ブドウの粒を押し出す仕組みのもので、通常のポンプよりもブドウの粒を痛めないのです)を使用して、1階部分に設置されているステンレスタンクへと、上部から搬入を行っていきます。

現在、醸造は全てステンレスタンクを使用。容量は区画に合わせて75hl〜200hlと、バリエーションがあります。2002年までは20基だったものを、区画ごとに分けた醸造を行うために17基増やして、合計「37基」となっています。

ディッサン
2階部分にある収穫口 [拡大]
ディッサン
ステンレスタンクが並ぶ発酵タンク室。2つあるうちの1つです [拡大]
ディッサン
収穫口から見たタンク。低い位置にあるため、ブドウの粒を搬入する際に、強い圧力は不要です [拡大]

“フルーティさ”を特に重視

タンクまでブドウが運ばれると、アルコール発酵を開始します。2004年には低温マセレーションを試したそうですが、「フルーティさがなくなった」と判断したため、すぐに止めてしまったのだとか。

アルコール発酵は、メルローが28〜30℃、カベルネ・ソーヴィヨンが27〜29℃で、約5〜6日続けた後、10日〜2週間の果皮浸漬を行います。

近年のディッサンでは、“フルーティさ”という要素を特に重視していて、果皮浸漬の期間も徐々に短くしているそうです。また、色素やタンニンの抽出を行うためのルモンタージュも、果皮浸漬の際は徐々に少なくしているそうです。

その後、ワインの引抜を行い、品質が良くディッサンにブレンドするであろうワインの約半分は樽の中でマロラクティック発酵を行い、残りはタンクの中で行います。“シュール・リー”も試みたことがあったそうですが、「香りが悪くなってしまったので、止めてしまいました。やっぱり酵母の死骸な訳ですから、取り除いた方がいいと思っています。」 という結論に達したんだとか。

熟成のための樽には、約50%を新樽で行っています。合計5社から購入して、全てミディアムで焼き付けを行っているそうです。

樽熟成は12〜14ヶ月間、3ヶ月〜3ヶ月半に1回の澱引き、コラージュはタンクの中で殺菌処理された卵白を使用して行って、その後瓶詰めとなります。

ディッサン
増設された2つ目の発酵タンク室。シャトーが歴史的記念物に指定されているため、建物の作りを変更できないのだとか [拡大]
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発酵タンクの内部の温度を管理するテーブルです [拡大]
ディッサン
グランヴァン用の樽貯蔵室。樽内でマロラクティック発酵を行うため、空調設備も完備されています [拡大]
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樽貯蔵室。セカンドワインのブラゾン・ディッサンが熟成させられていました [拡大]
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17世紀の時に建てられた樽貯蔵室。現在は使用しておらず、空樽置き場になっていました [拡大]
ディッサン
ディッサンは自社製の瓶詰め機械を所有しておらず、瓶詰めは外部業者に委託しています [拡大]

畑の良さをシンプルに活かして

ディッサン
醸造責任者のブエルさん [拡大]

今回説明してくれたブエルさんの話では、プラトー・ド・カントナックの上と斜面にブドウを植えていることで、非常にバラエティーに富んだ畑となっていて、他と比較しても決して劣ることはないとのことでした。畑の良さを自信を持ってワイン作りに活かせるのは、12世紀からの長い歴史を持つディッサンならではでしょう。

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