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トップ > メドック地区 第3級のビンテージワイン > シャトー・ラ・ラギューヌ[シャトー紹介・醸造工程]
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シャトー紹介・醸造工程 |
マルゴー、サンジュリアン、ポイヤック、サンテステフといった、メドックの有名な産地の間を縫うように南北へ通っているのが、“シャトー街道”ことD2号線です。この通りをボルドーから北上して行き、オーメドック地域の入り口部分にあるのが、3級シャトーのラ・ラギューヌです。
2004年度のプリムール(先物販売 の意)の際には、ラ・ラギューヌの改装されたばかりの超近代的な醸造設備が話題となり、一躍このシャトーの知名度を上げていました。しかし、ブドウ畑の中でも、同じぐらいの革新的な改革が行われていたのです。
その主役となったのは、シャトーの株主の一人であり、また醸造家でもあるカロリンヌ・フレイさん。そしてもう一人、彼と同時にコンサルタントとして招かれたドニ・デブルディユー氏です。
彼女は、ボルドー大学の教授として、また白ワインの権威としても有名なドニ・デブルディユー氏のチームの一人として実際に醸造を行っていました。
2004年からラギューヌのワインを手がけることになった彼女は、まずは良いブドウを作ることが最も重要と考え、ブドウ畑の排水工事を行い、「リュットレゾネ(減農薬栽培)」へ取り組み、ブドウの樹の高さを20センチ引き上げ(これにより葉が多く付き、光合成が促進されます)を行うなど、次々と畑の改革へと取り組み始めたのです。
また、合計「72ha(現在80haのうち8haは植え替え中のため)」あるブドウ畑の地質調査を行い、栽培品種の植え替えも行いました。品種との相性をつぶさに見ていった結果、それまで植えていたカベルネ・フランをすべて取り除いたのです。
さらに、2005年にはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを合計5ha植え替え、2006年には約1.6haのプティ・ヴェルドを、以前カベルネ・フランが植えられていた区画に植えるのだそうです。ワインにより濃い色調とスパイシーなアロマをもたらすプティ・ヴェルドは、砂礫と軽い砂利質で構成されるラギューヌのブドウ畑とは非常に相性が良いとのことで、現在では畑の15%にも達するのだとか。
プティ・ヴェルド以外では、カベルネ・ソーヴィ二ヨンが50%、メルローが35%植えられており、ワインはこの3品種でブレンドされています。
最近では、距離的に近い位置にあるマルゴー地区でも、このプティ・ヴェルドという品種の割合を増やすところが増え始めています。しかし、15%という数字は、他のシャトーと比較しても明らかに高い数字になっています。この品種をブレンドに多めに加えることで、より明確にシャトーの個性を出そうという狙いがあるのだそうです。
大きな期待を寄せているだけに、ただ植え替えを行うだけではなく、クローンは使わずに、手間はかかるがテロワールの特徴がより強く出る言われている“マッサル選抜(マッサル・セレクション)”のものを使用します。
これは、クローンのように母株と同じ長所、短所を持つブドウの樹を増やしていくのではなく、畑に実際に植えられているブドウの樹から良い樹を選び、穂木として台木に繋ぐ方法です。穂木によって遺伝子が異なるため、同じ長所、短所にはなりませんが、より良いブドウの樹に成長していきます。
今年植え替え予定の1.6haの畑には、この方法で生まれたプティ・ヴェルドを畑に植える予定にしているのだそうです。
また2004年からは、手摘みで収穫されたブドウを、20kg入りのカジェットに入れて醸造所まで運ぶ方法も採用しました。これは、現在有名シャトーの多くが取り入れているやり方で、これによって輸送中の果汁のロスや病気の発生を防ぐことが出来るのです。
カジェットで運ばれたブドウは、合計2つあるエレベーターで2階部分へと上げられます。そこで、除梗前に2回(通常は1回の場合がほとんど)の選果を選果台の上で行い、除梗後にもさらに1回、合計3回も念入りな選果を行っています。
その後、ブドウの粒の破砕を行い、ステンレスの特殊なパイプを使って、半円形に設置された合計72基のステンレスタンクの中へと、重力によって運ばれていきます。
ラギューヌの醸造は至って伝統的な方法をとっていますが、最大の特徴は“酵母添加をしない”ということでしょう。大きなシャトーになるほどリスクを回避するために酵母添加を行っているケースが多くなりますが、ラギューヌではあくまで自然な形にこだわるということで、野生酵母のみで発酵を行っています。
まずは、約12℃での低温マセレーションを3日間行います(カベルネ・ソーヴィニヨンに関してはこれをしない場合もあります)。その後アルコール発酵、果皮浸漬が終了すると、フリーランジュースはタンクの中で、プレスジュースは樽の中(一部新樽も使用する)でマロラクティック発酵を行っていきます。
その後、ミディアムとミディアム・プラスで焼付けを行った、約55%(ヴィンテージによっては90%まで達することもあります)のフレンチオークの新樽と、1回使用した旧樽の中で、合計15〜18ヶ月間の熟成を行います。3ヶ月に1度の澱引き、卵白を使用したコラージュを行い、軽く濾過をした後、ようやく瓶詰めとなります。
ラ・ラギューヌは、まずはやはりモダンな醸造設備に目を奪われがちですが、ブドウ畑を重視している点も見逃せません。2006年から新しく醸造責任者となったジェロームさんも畑を重視しており、“ワインの品質の70%は畑で決まる”という考え方を持っているそうです。
この新しい醸造責任者に「今後どんなことを試してみたいか」と伺ってみたところ、“樽に関して色々と試してみたい”ということでした。彼はまだ樽には様々な可能性があると考えていて、すでにフレンチオーク以外のものを試してみたり、新しい樽会社からの樽の購入を開始していたりと、すでにチャレンジは始まっているようです。
醸造家であるカロリン・フレイさんも28歳ととてもお若いのですが、ジェロームさんも見たところ30歳前ぐらいの年齢だと思われます。今後、この若い二人がどのようにして我々を驚かしてくれるのか、楽しみにしておきたいと思います。
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