Ch Branaire Ducru
シャトー・ブラネール・デュクリュ


- メドック地区 サンジュリアン

- シャトー・ブラネール・デュクリュ

- 赤/フルボディ/スパイシーで深みあり

- メドック4級

- カベルネ・ソーヴィ二ヨン70%、メルロー22%、カベルネフラン4%、プティヴェルド4%
各ワイン評論家からの評価 (★…1点/☆…0.5点)
| ロバート・パーカー (第4版) | ★★★(3点/4点満点中) |
|---|---|
| ヒュージョンソン (第5版) | ★★★(3点/4点満点中) |
| ル・クラスモン (2006年度版) | ★★(2点/3点満点中) |
| ゴー・ミヨー (2006年度版) | ★★★★(4点/5点満点中) |
シャトー・ブラネール・デュクリュのシャトーは、サンジュリアンの入り口に【ベイシュヴェル】と並んで建っており、慎ましい門から眺めた姿はひときわ美しいことで知られています。また、この城館には現在でもオーナーが住んでいる、今では珍しくなったタイプのシャトーでもあります。
“通好み”と評されることが多いこのシャトーのワインは、ロアルト・ダールの「Taste(味)」の逸話が有名です。ある晩餐会の席で出されたワインをブラインド・テイスティングで当てると招待客の一人が言い出し、見事に正解した(実はこれにはカラクリがあったのですが)のが、このブラネール・デュクリュのワインだったというのです。
これは作者に確かめてみないと分かりませんが、ロバート・パーカー氏が、「ブラネール・デュクリュのワインには独特の個性があり、サンジュリアンにしてはとりわけスパイシーであり、ほとんどエキゾチックと言えるアロマはスパイス、オーク、ヴァニリンを思わせるし、味わってみると、しばしば突出した、独特のチョコレートのような成分が感じられるため、ブラインド・テイスティングでも比較的簡単に識別できる」 こう評したことに由来しているのかもしれません。
現在のオーナーであるパトリック・マロトー氏が購入した後からのことばかりが取り上げられることが多いのですが、それ以前にも決して低評価のワインを生産していた訳ではありませんでした。現にフランスで絶大な人気を誇る「ギッド・アシェット」でも、80年代は84年と87年を除く全てのワインが“良好なビンテージ”として、また“現在が飲み頃のビンテージ”として取り上げられているのですから。
有力シャトーが集まる一帯に
マルゴーからD2号線を北上し、オーメドック地区を抜けたところからサンジュリアン・アペラシヨンが始まります。その入り口にあるのが、帆を半分下げた船のラベルで有名な、4級シャトー【ベイシュヴェル】。そのちょうど向かいにあるのが、同じく4級シャトーのブラネール・デュクリュです。
この地域には、この2つのシャトー以外にも、2級シャトー【デュクリュ・ボーカイユー】、4級シャトー【サンピエール】などの有力シャトーが集まっています。サンジュリアンの中でも、北側の【レオヴィル・ラスカーズ】などが集まっている一帯と並んで、素晴らしいブドウ畑があることで知られているのです。
ブラネール・デュクリュは、そんな好立地の場所に合計「50ha」のブドウ畑を所有しています。ディレクターのヴィドーさんの説明によると、ここのブドウ畑は、すぐ近くにあるデュクリュ・ボーカイユと比べてかなり平坦ですが、ガロンヌ川によって運ばれてきた珪土質の砂利が多く砂礫質であるため、水はけが良いのが特徴だとか。また、海抜「約21m」と比較的高めのため、日照量も多くなり、良いブドウが出来るのだそうです。
栽培品種は、カベルネ・ソーヴィ二ヨンが70%、メルローが22%、プティ・ヴェルドとカベルネ・フランが4%ずつ植えられており、平均樹齢は約35年、1ha当たり10,000本と植樹密度を高めています。
最新技術をいち早く導入
ブドウの収穫は手摘みで行われ、畑の中に移動式の選果台を設置して、すぐに選果を行います。選果されたブドウは、潰れないように、荷台が浅めになっているトラクターに乗せられて醸造所まで運ばれていきます。
1階部分にある収穫口から搬入されたブドウは、除梗前に2度目の選果が行われ、除梗、破砕をしてから、地下1階部分に設置されている「28基」のステンレスタンクへと、重力を利用して移動させられていきます。
ブドウの収穫口を上階に作り、ブドウの実にストレスを与えないように重力でタンクへと移動させるという仕組みは、今では数多くのシャトーで採用されるようになってきました。ブラネール・デュクリュの醸造所では、1991年の全面改装の際に、他のシャトーに先駆けてこのシステムを真っ先に取り入れたことでも知られています。
ここでは、低温マセレーションは行っていません。必要な年にのみ酵母添加を行っているそうですが、通常は自然酵母によって、約28℃の温度でアルコール発酵を行っています。アルコール発酵と果皮浸漬の期間は18日〜24日。常に試飲を行うことで、果皮浸漬の長さを決定しています。
これが終了すると、ステンレスタンクの下に作られたコンクリートタンクへワインがそのまま移動し(ステンレスタンクが上側にあるため、蓋を開けると重力で移動するのです)、マロラクティック発酵を行います。
使用する樽メーカーはほぼ1社のみ
マロラクティック発酵が終了した後、ワインは50〜60%の新樽に入れられ、合計16〜18ヶ月間の熟成に入ります。
通常のシャトーでは様々な樽メーカーから樽を購入するケースがほとんどです。樽によってワインに付く香りや味が異なってくるため、最終的にブレンドした際にワインが複雑な味わいとなるようにという狙いがあるためです。
しかし、ここで使用する樽の約90%はタランソーというメーカーのもので、毎年3社の樽メーカーの樽を少量ずつ実験的に使用しているそうです。ここまで1社の比率が高いのは珍しいことだと言えるでしょう。
ヴィドーさんの話では、「確かに樽メーカーはほぼ1社ですが、樽メーカーに様々な産地のオークを使用させて、焼き付けも少しずつ変えさせることで、結果的に様々な樽メーカーから購入したのと同じ効果が得られているんです」とのことでした。
焼き付けは微妙に違えていますが、大半はミディアム・マイナスと、少し弱めにしています。これはワインに樽香が付きすぎて、フルーティさやエレガントを失わさせないための配慮からだそうです。
澱引きは4ヶ月に1回と、通常のシャトーよりも少しだけ間隔が長め。コラージュは卵白を用いて行いながら熟成を続け、これが終了後、瓶詰めとなります。
先見性を持った改装が成功
このシャトーの醸造所は、1991年の改装時には、先進的な設備が話題となりましたが、時代が進むにつれて、さすがに最新式とは言いにくくなってしまいました。しかし、なるべくポンプの使用を避け、ワイン自体の重量によって移動させられる設備を所有しているシャトーはまだ少ないのですから、当時の改装がいかに先見性を持った、的確なものだったかを証明しています。























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