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トップ > メドック地区 第5級のビンテージワイン > シャトー・カントメルル[シャトー紹介・醸造工程]
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シャトー紹介・醸造工程 |
中世の時代、シャトー・カントメルルは、シャトーから1kmほど離れたメドックの川岸を守る要塞の一つでした。ワイン作りが始まったのは1354年のことで、当時のカントメルル領主が「収穫の10分の1の税金」と「ワイン1樽」を納めたという記録が残っている、大変歴史のあるシャトーです。
パリ万博前の、有名な1855年の格付けでは、実は最初はカントメルルの名前はリストには掲載されておらず、格付けの対象外となってしまいました。これは、当時のカントメルルは、ボルドーの仲買人を通さずに直接オランダの買い手と交渉をしていたため、売価が知られていなかったことが原因でした。後の交渉では、土地を代表するワインであり、オランダでも好評であることを認められ、無事に5級の格付けを得たのです。さらに、パリ万博ではワインの品質の良さが評価されて、銀メダルを授与されていました。
現在では、決してそれほど知名度が高い訳ではありませんが、しっかりとした歴史と技術に裏打ちされた、質の良いワインを生み出すシャトーであることは間違いありません。
D2号線の入り口にあるシャトー【ラ・ラギューヌ】を過ぎて、さらに北上すると、左手にとても大きな庭が見えてきます。庭の中には川が流れ、その川には何と橋までかかっていて、まるでちょっととした一大庭園かと思わせるような規模なのです。この素晴らしく大きな庭を所有しているが、5級シャトーのカントメルルです。
カントメルルのブドウ畑は「87ha」と比較的大きく、マコー村とリュドン村に跨った一帯に広がっています。畑の大部分は、グラーブ地区と非常に近い珪土質砂利の土壌で、そこに50%のカベルネ・ソーヴィニヨン、40%のメルロー、5%のカベルネ・フラン、5%のプティ・ヴェルドという割合でブドウを栽培しています。
資料では、畑の平均樹齢は「30年」となっていたのですが、醸造責任者のパスカルさんの話では、「植え替えをして、樹齢が10年未満の区画から採れるブドウはセカンドに回すから、グランヴァンの平均樹齢は40年ぐらいと考えてもらっていいですよ。」とのことでした。また1ha当たりに「9,600本」と、非常に高い植樹密度で栽培されているのも特徴的でしょう。
畑の中の一番良い区画はどこかと聞いてみると、間髪入れずに「それは“シャトー・ドォ”とその周りの区画です。」という返答がありました。シャトー・ドォとは以前は「Vieux chateau de cantemerle」と呼ばれていた、給水塔がある区画のことを指しています。
その区画に入ってみると、確かに表土には砂利が多く、さらにゆっくりと南に向かって傾斜しているのが分かります。また、この辺りの区画は平均樹齢も非常に高く、40年以上のブドウの樹が多く残っています。
カントメルルのカベルネ・ソーヴィニヨンは、大きく分けるとシャトー北側のマコー村の部分、シャトー・ドォ一帯の部分、リュドン側にありシャトー・ラ・ラギューヌと隣接する部分に植えられています。
マコー村の部分も、さすがに“丘”とまではいきませんが、土塊のように他よりも少しだけ高くなっていますし、ラギューヌと隣接する部分も同様です。格付けは5級ですが、さすがに格付けシャトーだけあって、その名に恥じないような素晴らしい畑を所有しているのです。
ブドウは手摘みで収穫された後、4台の移動式の選果台を畑に持って行って、そこで1回目の選果を行います。選果台それぞれに4人づつが付いて作業が進められていきます。選果されたブドウはトラクターに乗せられて醸造所に運びこまれ、除梗機にかけられた後、再度バイブレーター式の選果台に乗せられて2度目の選果をされます。そしてようやく破砕機にかけられて、ポンプを使ってタンクへと搬入されていきます。
カントメルルでは、28基のフレンチオーク製のタンクと12基のステンレスタンクを所有していて、樹齢が低い区画のブドウはステンレスで醸造を行うのだそうです。またコンクリートタンクも所有しているそうですが、現在はこれは使用せず、前述の2つのみで醸造は行っているとのことです。
アルコール発酵前に、約12℃で行う低温マセレーションも、4〜5年前から一部の果汁に対して始めていたのですが、2005年からは全ての果汁に対して行うようになりました。
この作業の後、酵母を添加してアルコール発酵を開始します。発酵中の温度は大体24〜30℃、約6〜8日で終了し、20日間ほどの果皮浸漬に回されます。
終了後、フリーランジュースを抜き取り、別なタンクに移し変えてマロラクティック発酵を行います。パスカルさんの話では、現在は樹齢が高いメルローに限り、樽の中でマロラクティック発酵を行っているそうです。こちらはよりトロッとした豊満な感じになったのですが、カベルネ・ソーヴィニヨンや樹齢の若いメルローでは思ったような結果が得られず、満足できる味に仕上がらないのだとか。
熟成に使う樽は、40%がフランチオーク、それもトロンセの森から採れたオークでの新樽です。残りは1度使用した樽を使用して、合計12ヶ月の熟成を行っていきます。合計5社から樽を仕入れし、焼付けはミディアムを用いているとのこと。現在、アメリカンオークの樽もテスト中ということでしたが、どうやらあまり満足できる結果ではなかったような話しぶりでした。
熟成中は、3ヶ月に1度の澱引きを行い、4度目の澱引きの際(その年のワインの醸造が終了した頃)にタンクにワインを戻し、豚のゼラチンを使用してコラージュを行います。
樽に入れている期間が12ヶ月と、他のシャトーに比べると短いのですが、パスカルさんの話によると、「カントメルルのワインは、あまり長く樽に入れておくと乾いた感じになってしまうため、最後の4ヶ月はステンレスタンクで熟成をするようにしているんだよ。」ということでした。
ステンレスタンクで最後の4ヶ月の熟成をした後、瓶詰め前の濾過は行わずに、自社製の瓶詰めの機械を使用して瓶詰めを行っていきます。
カントメルルは、格付けこそ“5級”とそれほど高い訳ではありませんが、その実力はもっと上位のシャトーと比べても決して劣っていないという評価を下す方も多いのです。
決して派手なことをしている訳ではなく、どちらかと言えば地味な印象すらあるシャトーですが、ポリシーを持った堅実なワイン作りを行っていて、評価されるだけの実力を備えたシャトーだといえるでしょう。
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