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トップ > グラーヴ地区 特選のビンテージワイン > ドメーヌ・ド・シュヴァリエ[シャトー紹介・醸造工程]
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シャトー紹介・醸造工程 |
7月も中旬となり本格的な夏が始まった頃、刺すような日差しの中を、ボルドーから約30分ほど車を走らせて、ドメーヌ・ド・シュヴァリエがあるレオニャン村に到着しました。
大きな看板がある門を抜けて、ブドウ畑の中に作られたアスファルトの道を看板に従って進んでいくと、畑の中にシャトーが見えてきます。
事務所で訪問の予約を取ってあることを告げ、しばらく待っていると、ディレクターであるエダンジュさんが迎えてくれました。このシャトーを訪問した際にはいつも彼が応対してくれため、もうすっかり顔なじみです。実際にワイン作りに携わっている人だけに説明は詳しくて的確、そしてなかなか強烈な個性の持ち主なのです。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエのブドウ畑は、赤ワイン用のブドウ畑が「35ha」、白ワイン用が「4.5ha」。その大部分がシャトー周辺に集まっており、ゆるやかに波打ったように傾斜しています。
植えられているブドウは、赤ワイン用の畑には65%のカベルネ・ソーヴィニヨン、30%のメルロー、2.5%のカベルネ・フランに2.5%のプティ・ヴェルド。白ワイン用の畑には70%のソーヴィニヨン・ブランと30%のセミヨンといった構成です。
平均樹齢は霜の害のため植え替えをたびたび行っているため、まだ25年と若め。植樹密度は「10,000本」と、この地域の平均が6,500本であるのに対してかなり多めになっています。密に樹を植えることによって、ブドウは互いに競争し、さらに深くまで根を伸ばさせることができるのです。また、1962年には畑の大規模な排水工事が行われ、水はけが良い状態を保っています。
畑の土壌は、下部に粘土と砂利が混じった層があり、表土には砂利と黒色の砂が混じっています。この表土の厚みが約60〜90cmと、区画によってバリエーションがあるため、区画ごとにワインの品質に差が出てしまいますので、細かく区画を分けて醸造する必要があるそうです。
また、ドメーヌ・ド・シュバリエの畑の最大の特徴は、周囲の3面が森に囲まれているということでしょう。この森があるために空気の循環が少なくなり、非常に霜が降りやすいという、大きなデメリットを抱えていることになるのです。
特に霜の害が大きいところでは、現在のオーナーであるオリビエ・ベルナール氏の指示で森を伐採したのですが、まだ白用のブドウ畑などでは被害を被りやすくなっているそうです。この対策として、霜が降りそうな日には畑に特殊な暖房設備を設置したり、ヘリコプターを飛ばして上空から空気を循環させるといった、ちょっと驚いてしまうような方法を取っているのです。
エダンジュさんの口癖の、「いいワインを造るためには、いいブドウが必要なんだよ。そのいいブドウを造るには、いいテロワールと人間の努力しかないんだ。」という言葉をそのまま表しているような、大変な努力です。
ドメーヌ・ド・シュバリエのブドウは全て手摘みで収穫されます。ブドウ畑に設置された移動式の選果台でまず最初の選果、醸造所に運ばれてからも、除梗前と除梗後に2回の選果と、合計3回もの選果を行うというこだわりようなのです。その効果は、比較的良くないビンテージであっても、厳しい選果のお陰でその年の優良シャトーとして評価されたりすることに現れています。
白ワイン用のブドウは圧搾され、果汁だけを樽に入れて、18〜24時間、不純物を沈殿させるために“デブルバージュ”と呼ばれる作業を行います。この時は、酵母が活動を始めないように、室温を下げておきます。通常はタンクで行われるデブルバージュを、敢えて樽で行っているのは、【マルゴー】とドメーヌ・ド・シュバリエだけなのだそうです。
酵母に関しては、「うちのシャトーでは、白ワインには添加しないけど、赤ワインには酵母を添加することもあるんだ。でも、それは現在販売されているような、フランボワーズやカシスの香りをもたらす酵母ではなく、自社の畑から培養した酵母だけだよ。」 エダンジュさんは不自然な酵母を使用して作り出されるワインには全面的に反対していて、“全て自然のままが一番良い”と考えているのだそうです。
白ワインの発酵は、70%が新樽の中で行われます。その後、バトナージュをしながら、シュール・リーによる熟成を行います。この方法を取り入れるようにアドバイスしたのは、“白ワインの権威”と呼ばれていて、現在このシャトーの白ワインに関するコンサルタントを行っている、ボルドー大学のデブルデュー教授なのだそうです。そして合計18ヶ月間の熟成が行われた後、ワインは瓶詰め、出荷されていきます。
一方、赤ワイン用のブドウは、醸造所へ運び込まれた後、破砕をして、円形に配置された12基のステンレスタンクと15基の鋼鉄のタンクへと搬入されます。その中で温度を約31〜32℃に保ち、発酵が行われます。発酵中は、上に浮いてきた粕帽を崩すピジャージュを、その後マセレーションを行い、3分の1は新樽の中で、残りはタンクの中でマロラクティック発酵を行います。
そこで全てのワインの試飲を行い、どのワインをドメーヌ・ド・シュバリエに回し、どの果汁をセカンドワインとサードワインに回すかを決定していきます。さらに、様々なサンプルを作り、それぞれのブレンド比率を決めていくのです。
ブレンドされたワインは、40〜75%は新樽(ヴィンテージによって大きく変化します)、残りは1度使用した樽に入れられて熟成されます。樽に入れられてから3ヶ月間はシュール・リーを、その後は3ヶ月に一度の澱引きを行います。合計14〜24ヶ月熟成させられたワインは、ようやく瓶詰めされていくのです。
ドメーヌ・ド・シュバリエでは、2002年から、サンテミリオンで有名な醸造コンサルタントのステファン・デュルノンクール氏を招いていて、彼の指導の元、色々な新しいテクニックを取り入れてきています。そんな改革についてエダンジュさんに聞いてみたところ、「ワインの醸造は常に進化しているんだ。だから、新しいテクニックも必要であれば取り入れるようにしているよ。」と、伝統的な部分にこだわり過ぎず、新しいことにも積極的に取り組んでいるようでした。
“良いワインは良いブドウを造ることから始まる”、そんな哲学を持っているドメーヌ・ド・シュバリエ。今後も注目していきたいシャトーでしょう。
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