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トップ > サンテミリオン地区 第1特別級Bのビンテージワイン > シャトー・アンジェリュス[シャトー紹介・醸造工程]
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シャトー紹介・醸造工程 |
サンテミリオン村を頂点とした“プラトー・ド・サンテミリオン(サンテミリオンの台地)”、その南側から西側には数多くの1級シャトーが集まっています。シャトー【カノン】から西に向かってプラトーを下っていくと、「マゼラ礼拝堂(Chapelle de mazerat)」が見えてきますが、その隣にあるのが“1級B”に格付けされているシャトー・アンジェリュスです。
シャトー名になっている“Angelus(アンジェリュス)”とは、「朝、昼、夜の時刻を告げる鐘」を意味しています。このシャトーからは、マゼラ礼拝堂の他にも、【カノン】の近くにあるサン・マルタン礼拝堂、そしてサンテミリオン村にある教会からも、朝の7時と正午と19時に、それらの鐘の音が聞こえてきたため、この名前が付いたそうです。ちなみに、昔はこの鐘が聞こえると、仕事を一旦中止して祈りを捧げていたのだとか。
アンジェリュスのブドウ畑は合計「23.4ha」の広さで、そのほとんどがシャトーの周りにあります。畑の途中の道路を挟んで一段下がっている土地もあり、上部の土壌はプラトー・ド・サンテミリオンの代名詞でもある、粘土質石灰岩が下層にある粘土質なのですが、下部では粘土質に砂、砂利が混じってくる土壌へと変化してきます。
このため、サンテミリオン地区にあるシャトーにしては、メルローの比率が50%と少なく、カベルネ・フランが47%、カベルネ・ソーヴィニヨンが3%といったように、カベルネの比率が高めになっているのが特徴です。
アンジェリュスに伺った際、ちょうど剪定が終わったばかりの頃だったことがありました。すると、他のシャトーよりもかなり長めに剪定がされているのが目に付いたのです。その理由を聞いてみると、“春先の霜の害からブドウの新芽を守るため”だということでした(ブドウの新芽は非常に寒さに弱く、温度がマイナスになると枯れてしまうのです)。
枝を長く残すということは“芽が出てくる部分を多く残す”ということです。通常、ブドウの樹は枝の先にある芽から成長を初め、一番良質のブドウが付く株に近いところが一番遅く発芽します。長めに剪定して芽が出てくる部分を多く残すことで、最も重要な株に近い部分の発芽を遅らせ、春先に多い霜の害から免れることができるようになるのだそうです。
アンジェリュスでは、ブドウの収穫は全て手摘みで行われます。ブドウ畑で選果を行い、醸造所まで搬入後、除梗前に2度目の選果、除梗後にも3度目の選果を行っているのです。
除梗後の選果は、通常では選果台を1台のみ使用して行っているケースがほとんどですが、アンジェリュスでは除梗機で取れなかったり切れてしまった果梗などを100%取り除くため、選果台を2台使用しているそうです。その2台を繋ぎ合わせた長さは何と8mにも及びます。これは2003年から始めたそうですが、この選果には、収穫参加者と同数の、合計30人もの方が参加しているのだそうです。
選果後は、ポンプを使用することで種が潰れてしまうのを防ぐために、非常に長くユニークなベルトコンベアを使用して、タンク上部までブドウの粒を持ち上げていきます。そして、ブドウの粒の破砕をせずに、上部からタンクへと落とし込みます。こうすると、落ちた時に果皮が破れるブドウと、粒のままで果皮が破れないブドウが出てきます。
アンジェリュスでは、よりフルーティさを増すために、一部粒のままで発酵を行う「ホールベリーファーメンテーション」という方法を採用しています。
醸造用タンクは、フレンチオーク製が5基、ステンレス製が7基、コンクリート製が6基ありますが、通常はコンクリートタンクは使用せず、よほど収量が多い場合にのみ使用しているそうです。
タンクにブドウが入れられると、すぐにドライアイスを入れて、3日間の低温マセレーションを行います。そして約28〜32℃の温度で発酵を行い、終了後、約2〜4週間の果皮浸漬に入ります。
その後、マロラクティック発酵を開始させるためにタンクの中でワインの温度を約20℃まで上げ、開始と共に全てのワインを新樽の中に移し、マロラクティック発酵を続けていきます。
最初の澱引きは、樽に入れてから約6〜7ヶ月後です。それまでにシュール・リーを行い、ワインにコクを出させます。澱引きをした後もワインは熟成を行い、合計18〜24ヶ月間の熟成を経て、ようやく瓶詰めとなります。
卵白を使用したコラージュは、必要であると判断した際には行うそうですが、通常は行っていません。使用している樽は合計4〜5社から購入しており、焼付けはミディアムです。
シャトー・アンジェリュスは、1996年に“1級B”へと昇格したシャトーです。著名コンサルタントのミッシェル・ロラン氏を招聘したり、昇格後も品質向上のための努力は惜しまず、1級シャトーには珍しく様々な新しい手法も試しています。
サンテミリオン地区は、プラトー上部に1級シャトーが集まっていることからも分かるように、ここのブドウ畑は高く評価されています。しかし、アンジェリュスは畑全体ではなく、一部分だけがそうした土壌のところにあり、残りは砂・砂利といったメルローには不向きな畑です。しかし、そのデメリットを“執念”とも言えるような様々な努力と工夫で補ってきているのです。
また、カベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニヨンも多めに植えることによって、メルローの出来が悪い年でもカベルネ・フランが良いといったケースも出てきます。実際に、カベルネ・フランのブレンド比率の方が多かった年もあったぐらいなのです。周りのシャトーがメルローの不出来を嘆いている時でも、このシャトーだけは非常に素晴らしいワインが出来ることがあるのです。
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