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トップ > サンテミリオン地区 第1特別級Bのビンテージワイン > シャトー・ボーセジュール・ベコ[シャトー紹介・醸造工程]

シャトー・ボーセジュール・ベコ

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シャトー紹介・醸造工程

「1級格下げ」事件の真相は?

シャトー・ボーセジュール・ベコ
ボーセジュール・ベコのシャトー [拡大]

サンテミリオン村から【クロ・フルテ】【カノン】の畑を廻っていくと、まだ真新しいシャトー・ボーセジュール・ベコの醸造所が見えてきます。建物はとてもキレイな白壁で、通りがかった人からもよく見えるように外壁には大きく名前が書かれているため、とても目立っています。

このシャトーは“サンテミリオンの丘”のほぼ頂点にあり、ここからの景色は最高です。眼下には一面にブドウ畑が広がり、奥には“アントル・ド・メールの丘”までを見渡すことが出来ます。広いボルドーの中でも最も眺めの良い場所で、私も個人的に一番好きな景色です。

ボーセジュール・ベコが所有するブドウ畑は、合計「16ha」。シャトーを取り巻くように広がっており、サンテミリオン地区では比較的規模が大きい方でしょう。

このボーセジュール・ベコ、実は1986年に「1級格下げ」という処分を受けたことがあります。以前にシャトーを訪問した際に、前オーナーのミッシェル・ベコさん(現在は二人の息子さんが跡を継いでいます)が案内してくれたことがあり、この時の事情を伺ったことがありました。

1979年、ミッシェルさんはボーセジュール・ベコの隣にあったシャトー・トワ・ムーランを買収し、シャトーの規模を拡大させました。生産量が増えたことに対し、周りのシャトーのオーナー達が嫉妬をして、「1級シャトーのボーセジュール・ベコの畑から採れたブドウと、1級ではないトワ・ムーランの畑から採れたブドウを、同じ醸造所で醸造するのは違反だ!」という適当な理由によって、まんまと格下げへと追い込まれてしまったのだそうです。

本当のところはどうなのか、もちろんこちらには分かりません。しかし、彼にとっては苦い思い出となっているはずのこんなエピソードを、冗談を交えながら語ってくれたのでした。

シャトー・ボーセジュール・ベコ
シャトーから見たサンテミリオン村の眺め [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
畑からみた景色。眼下にサンテミリオンのブドウ畑が広がる、とても眺めの良いところです [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
シャトーのすぐ前に植えられているカベルネ・フラン [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
これはブドウの色が変わる「ベレゾン」と呼ばれる時期に撮った一枚です [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
前オーナーのミッシェル・ベコさん。後ろにサンテミリオンの村が見えています [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
案内してくれたマイケルさんとの試飲風景です [拡大]

樹齢が高めのブドウが揃う

ボーセジュール・ベコの畑で植えられているブドウ品種は、70%がメルロー、25%がカベルネ・フラン、6%がカベルネ・ソーヴィニヨン。樹齢は「約37年」と比較的高めです。収穫は全て手摘みで行われていて、除梗前に2回、除梗後にもう1度選果を行って、ステンレスタンクの中で醸造が行われます。

まず、低温マセレーションを3日間ほど行った後、アルコール発酵を開始させるために温度を上げていきます。発酵中は約28〜32℃の温度を保ち、約1週間。その後、約2週間の果皮浸漬を行います。そして、通常は全て新樽の中に入れられてマロラクティック発酵を行っていきます(ビンテージによっては新樽の比率を80%まで下げる場合もありますが、これは稀なことだそうです)。

樽貯蔵室は醸造所の地下にあります。比較的温度は一定に保たれているそうですが、ここには空調設備が無いため、去年でも樽によっては1年経ってもマロラクティック発酵が終わっていないものもあったのだとか。

樽熟成の期間は、合計で約16〜18ヶ月間。その間、澱引きは3ヶ月に1度行いますが、現在ではコラージュは行っていません。瓶詰め直前に軽く濾過をしてから瓶詰めとなります。

シャトー・ボーセジュール・ベコ
醸造はステンレスタンクで行われます [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
醸造中の発酵タンク室の様子 [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
醸造中は、ホワイトボードに全てのタンクの朝夕の温度、天候、作業内容などが記されます [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
こちらは以前に使用していたコンクリートタンク [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
とても清潔な樽貯蔵室 [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
果皮浸漬中には、こうして毎日試飲をして、その期間を決定していくのだそうです [拡大]

売れ残りも多かった1986年でしたが…

“サンテミリオンの丘”の上にある他のシャトーと同じように、このシャトーにも石切り場の跡を利用したカーブがあり、見学させてもらうことが出来ます。

圧巻だったのは、入り口付近の壁一面に積み重ねられた1986年のビンテージ。これはまさに格下げになった年のもので、その影響もあって、品質は高かったにも関わらず、数多くの売れ残りも発生してしまったのだそうです。

しかし、2006年の秋にこのシャトーを再訪問してみると、この壁一面のワインが全て無くなっていました。その日に案内してくれたマイケルさんの話によると、ほんの数日前に中国人バイヤーがシャトーを訪れて、ストックされていた6,000本(!)を全て買い占めていったのだそうです。さすがは中国パワー、ととても驚かされました。

シャトー・ボーセジュール・ベコ
石切り場の跡を利用したカーブ。ずらっと並んでいたのが1986年のボーセジュール・ベコでしたが… [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
ここと【カノン】の間に墓地があるため、この辺りの地下では人骨がよく見つかるのだとか [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
そのためか、カーブの中にミッシェルさん作の祭壇が造られています [拡大]

最近、特に評価が高まった注目シャトー

シャトー・ボーセジュール・ベコ
樽に焼印されたボーセジュール・ベコの名前 [拡大]

シャトー・ボーセジュール・ベコでは、有名コンサルタントのミッシェル・ロラン氏のコンサルタントチームの一人であるジャン・フィリップ・フォール氏を招聘し、サンテミリオン地区の1級シャトーの中でも、最近になって特に評価が高まってきているシャトーです。

しかし、最近の高評価にばかり注目が集まりがちですが、実はこのシャトーの品質向上は80年代半ばから続いていました。最近になってそれが広く認知されるようになってきただけのことでもあり、これからも質の高いワインを作り続けてくれることは間違いないでしょう。

最後に、全くの余談になりますが、シャトー名の最後の「ベコ」とは、フランス語で“ほっぺたにするような軽いキス”を表す言葉です。これはミッシェルさんの得意とするところで、女性の訪問客があるといつも冗談半分でほっぺたにキスをしてきますので、日本からいらっしゃった皆さん、どうぞ驚かないように心の準備をしておいてください(笑)!!

シャトー・ボーセジュール・ベコ
新しく作られた試飲ルーム。とても明るいスペースです [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
ここでは見学者のためにワインやグッズを販売しています [拡大]
シャトー・ボーセジュール・ベコ
オーナーのプライベートセラー。最も古いのは1854年のオーゾンヌ!! [拡大]
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