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トップ > ソーテルヌ地区 第1級のビンテージワイン > シャトー・リューセック[シャトー紹介・醸造工程]

シャトー・リューセック

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シャトー紹介・醸造工程

「ラフィット」の資本が入ったシャトー

ソーテルヌ地区のシャトーと言えば、誰もが真っ先に思い浮かべるのは、やはり“1級特別級”に格付けされているシャトー【ディケム】でしょう。

そのすぐ東隣に、【ディケム】を猛追しているシャトーの一つシャトー・リューセックがあります。1984年にメドック地区の最高峰シャトー【ラフィット・ロートシルト】に購入されたことでも有名になりました。

リューセックは、【ディケム】から続く小丘にブドウ畑を所有しており、ソーテルヌの中でもトップクラスの場所に位置していると言えるでしょう。土壌の構成も、隣接している【ディケム】とよく似ていて、表土に砂利を含んだ薄い砂質の層があり、その下が粘土になっています。

現在、リューセックのブドウ畑の大きさは合計「92ha」。通常、これだけ大きな畑を所有していると飛び地になってしまうことが多いのですが、リューセックの畑は幸運にも全てが一塊になっているのです。

このため、飛び地になっているところのように、貴腐菌の付着に時間差が生じることも少ないため、比較的同時期に作業することが可能となっています(しかしそれでも、シャトー周辺の最良の区画と丘の下の区画では差が出てしまうため、多い時では7回も、同じブドウの房の収穫を行う必要があるそうです)。

ブドウの木の剪定も、【ディケム】と同様に非常に短くし、1枝に2つの芽しか残しません。これは、収穫制限をすることで、潜在アルコール度数を高めるために行われています。栽培品種は、92%がセミヨン、5%がソーヴィニヨン・ブラン、3%がミュスカデルの3品種であり、【ディケム】が2品種であるのと比べて相違点となっています。

リューセック
リューセックのシャトー全景 [拡大]
リューセック
シャトー前の看板。ここは海抜80mでディケムとほぼ同じ。この丘の向こうにシャトーがあります [拡大]
リューセック
“コット”と呼ばれる方法で剪定されたブドウの樹。1枝に2つの芽を残し、合計4枝あります [拡大]
リューセック
シャトー南側の区画。表土には砂利と砂が見え、区画によっては石灰岩が混じっているところもあります [拡大]
リューセック
こちらはシャトー西側の区画。ブドウ畑の多くがこうした斜面にあります [拡大]
リューセック
リューセックから見たディケム。すぐ隣とは言え、畑が大きいために相当な距離があります [拡大]

敢えて粒での収穫は行わない

ブドウの収穫は合計100人で行います。通常は粒での収穫ではなく、貴腐化している部分を鋏で切り取って収穫しています。これは、ワインに酸を残すため、敢えて貴腐化していないブドウも一緒に摘むようにしているためなのだそうです。スタッフの方によると、「貴腐化しているブドウだけ摘んだら、マーマレードみたいになっちゃうよ」とのことでした。

収穫されたブドウは醸造所に運ばれ、4基の空気圧式圧搾機で、2バールの強さで2〜3時間かけて絞られていきます。これは一気に強い力で絞ったりせず、ゆっくりと時間をかけて絞ることが大切なのだそうです。

各圧搾機の隣には、地下コンクリートタンクがあり、絞られたマールはここへ落ちていきます。すぐに温度調節ができるステンレスタンクへと移動させ、不純物を沈殿させるために1晩デブルバージュを行います。

ちょうど圧搾機の隣には、“クリオ・エクストラクション”用の大型冷凍庫がありました。これは、ブドウを凍らせた後に圧搾機で搾ることで、水分だけを凍らせて分離させ、0度で凍らない糖分を含んだエキス分のみを凝縮した果汁を得るために行われます。

この設備は、醸造所の改装が行われた2000年に設置されたそうですが、2000年と2004年に、セカンド用のブドウの一部にのみ使用しただけなのだそうです(ちなみに【ディケム】では、ここ8年間で1日行っただけだとか)。

リューセック
試飲テーブルに飾られたブドウ。貴腐化しているため、果実は萎んでいます [拡大]
リューセック
収穫されたブドウは潰れないよう、カジェットと呼ばれる小さいカゴに入れて運ばれます [拡大]
リューセック
空気圧式の圧搾機。計4基あります [拡大]
リューセック
デブルバージュの際に使用するステンレスタンク [拡大]
リューセック
これもデブルバージュ用ステンレスタンク。容量が大きいため、2層式になっているものもあります [拡大]
リューセック
これがクリオ・エクストラクション用の大型冷凍庫です [拡大]

瓶詰め作業は全て外部へ委託

リューセック
樽貯蔵室。2階建てになっていて、2004年と2005年が熟成を続けていました [拡大]

デブルバージュが終了後、90%は新樽、10%は一度使用した樽の中にワインを入れてアルコール発酵を行います。使用する樽は、全て【ラフィット・ロートシルト】の近くにある自社樽工房で作られたものだけで、フレンチオーク製、焼付けはミディアムに統一されています。

アルコール発酵は温度を約20〜22℃に調節しながら、2週間〜2ヶ月間続けられます。そして、アルコール度数が13.5〜14度に達した時点で、二酸化硫黄を添加しアルコール発酵を停止させる“ミュタージュ”を行います。

その後の2ヶ月間は、週2回のペースで澱を攪拌させて、ワインにコクを出させるバトナージュを行い、2ヵ月後にブレンドを行います。合計16〜24ヶ月の樽熟成の間、3ヶ月に1度の澱引き、ベントナイトでのコラージュを行い、瓶詰めとなります。

この瓶詰めの作業は、2003年から(セカンドは2004年から)全て専門業者に委託しているそうです。

何故自社で行わないのかと伺ってみたところ、「以前は自社製の機械で瓶詰めしていたのですが、自社製だと頻繁に新しい機械へと買い替えることが出来ません。しかし、委託の業者は最新の機械を使用しているため、こちらの方が精度が高くなるのです。」 このような理由から委託に切り替えたたのだそうです。ISO9001を取得している業者へと委託していて、品質管理には細心の注意を払っているということでした。

リューセック
樽貯蔵室に飾られていた、貴腐化したブドウの写真です [拡大]
リューセック
エチケットを張っている様子。瓶詰めは外部に委託していますが、この作業はシャトーで行います [拡大]
リューセック
出荷待ちのワイン。ダンボール箱もラフィットのカラーである青と黄色で統一されています [拡大]

品質管理は徹底して厳格に

リューセック
リューセックの事務所。蔦の具合など、とっても趣がありますね [拡大]

リューセックの醸造方法に関しては、特に取り上げるポイントは多くありません。それほど変わったことをしている訳ではなく、堅実な方法で、高い品質のワインを作り続けているのです。

しかし、このシャトーも【ディケム】と同様に、収穫制限を徹底し、ブレンドの際には品質基準を厳格化しています。1993年には“リューセックの名に相応しくない”として、1級のワインは造られなかったこともあったのです。こうした厳格さこそ、リューセックが今日の高い評価を得ている最大の理由なのでしょう。

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