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トップ > ポムロール地区 特級クラスのビンテージワイン > シャトー・クリネ[シャトー紹介・醸造工程]
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シャトー紹介・醸造工程 |
【ペトリュス】を始めとして、世界的に知名度があり人気の高いポムロールのワインには、高級ワインが産出される地域が2つあります。
一つは【ペトリュス】【ラフルール】【レヴァンジル】【ヴュー・シャトー・セルタン】【ラ・コンセイヤント】が集まっているポムロールの教会の西側部分。そしてもう一つが、ポムロールの教会の北側部分で、【レグリース・クリネ】【ラ・クロワ・ド・ゲ】【クロ・レグリース】、そしてシャトー・クリネがあります。
この地域に良いシャトーが集まっているのは、一帯の土壌が西側部分と非常に良く似た構成になっているためです。下層には鉄分が酸化されて発生した錆色の斑点(この地方では「クラス・ド・フェール」=“鉄の垢”と呼びます)がある青粘土があり、表土には砂利を含んだ粘土が堆積している土壌があるのです。
このような恵まれた土壌に、シャトー・クリネは合計「8ha」のブドウ畑を所有しており、現在85%のメルロー、10%のカベルネ・フラン、5%のカベルネ・ソーヴィヨンを栽培しています。
この日案内してくれた醸造責任者のエスティーブさんの説明によると、「栽培はリュット・レゾネ(減農薬栽培)だけど、限りなく有機栽培に近いんだよ。去年、他のシャトーではうどんこ病に対する処置を約5〜7回行ったけど、クリネでは2回しか行わなかったんだ。」
こんなことが出来るのも、「全てシャトーに気温、湿度、風の強さ等を測る気象観測の機械があるおかげなんだ。」ということだ。その機械はシャトーの横に設置されていて、醸造所にあるコンピューターに接続され、定期的にデーターを送っているのだそうです。
クリネに行った際、ちょうど畑で“パリッサージュ”と呼ばれる、ブドウの樹の嵩上げが行われていました。それまでは1m20cmだったものを25cm引き上げるそうで、これによってより多くの葉を残すことが出来、光合成が促進されるようになるのです。
それ以外に目を引いたのは、ブドウの幹が切られており、横から新しい枝が出てきているものが多くあったことでした。エスティーブさんによると、「ポムロールでは全てではないけど、一般的にブドウの樹の高さが35〜45cmに設定されているのに対して、メドックでは25cmが一般的なんだ。ブドウの樹が高いということは、ブドウの樹よりも上部にある葉とブドウの樹の頂点までの間が短くなり、それだけ葉が少なくなる。葉が少ない分だけ光合成の力が減ってしまうため、樹を低くし直しているところなんだよ。」ということでした。
収穫は、ブドウが潰れないように容量の小さいカジェットを使用して手摘みで行います。醸造所まで運ばれてくると、1番目の選果台で選果までを行います。ベルトコンベアにブドウを乗せる際にも、一度に多くを乗せるのではなく、ベルト中央部に1〜2房だけにしているというこだわりようです。
収穫日が暑く、ブドウの温度が20〜22℃ぐらいになった場合は、一旦ブドウを冷やす機械にブドウを通して15℃ほどまで下げてから除梗機にかけます。
除梗された後、ブドウ粒はバイブレーター式の選果台の上で再度選果されます。車輪が付いた専用のステンレスの器具に入れられて木製の発酵タンクの上まで運ばれ、破砕せずにそのままタンクの中に入れられます。
これが通常の方法となりますが、2005年からはいくつか新しい試みが始められています。
まずは収穫後、それまではトラクターにカジェットを積み重ねて運んでいたところを、2005年からメルローのみですが、全て冷蔵車を使用して運んだのだそうです。選果の後に専用の機械で温度を下げることも出来るのですが、こちらの方がより効果的なのだそうです。
またそれ以外にも、全ての果梗を取り除くため、メルローの約半分は人間の手によって除梗を行ったのだそうです。「手で除梗を行ったものと、機械で行ったものを試飲すると明らかに違いがあるんだ。前者の方がワインに丸みがあり、収斂性がなく、繊細な味わいがあるんだよ。」 エスティーブさんはその効果に満足しているようでした。
ブドウの粒がタンクに搬入されると、約7〜8℃での低温マセレーションを1週間ほど行います。この際に“ピジャージュ”という専用器具を使用して、果汁の上に浮き上がってくるブドウの粒を果汁の中に漬け込む作業を行います。こうすると破砕されていないブドウも破砕が行われるのと同時に、ワインにフルーティさ、フレッシュな感じが出せるのだそうです。
発酵には、40hlと60hlといった容量の小さいフレンチオーク製のタンク11基で行います。ステンレスタンクも2基所有しているのですが、これはマロラクティック発酵に使用されるだけで、基本的な醸造はすべてこのオーク製のタンクで行っています。
アルコール発酵、果皮浸漬は合計3〜5週間、その後全体の約40〜60%は樽の中で、残りはステンレスタンクでマロラクティック発酵を行います。樽は現在6社から購入しており、ミディアムが大半、一部フルーティさを強調させるためミディアム・マイナスも使用しているということ。フレンチオーク100%なのはもちろんのこと、中でも品質が良いとされている“トロンセの森”のオークが大半なのだそうです。
マロラクティック発酵後、1度澱引きをし(マロラクティック発酵中に溜まった澱は品質が悪いのだそうです)、シュール・リーを行います。ワインがなるべく酸素と触れ合わないように、樽上部の口から専用の器具で澱を攪拌するバトナージュなどは行いませんが、澱を攪拌させるために、特別な“オクソ・ライン”を使用しています。これは車輪が付いたラックで、樽を手で横に回すことができるもの。これによって樽下部に溜まった澱を攪拌することができるのです。
1回目の澱引きは、試飲によって決定されます。定期的にワインを試飲し、還元香が強くなりそうだと判断した場合に行います。樽熟成の期間も幅広く、16〜22ヶ月ほどとなっています。これも毎年一定ではなく、すべて試飲によって決定されるためなのです。
コラージュ、瓶詰め前の濾過は行わず、熟成が終了した後は、ISO9001を取得している外部の業者に瓶詰め作業を委託(シャトー元詰めですが、瓶詰めのために改造されたトラックの中で行います)しているということです。
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