ボルドーからのお手紙
当店の頒布会にご参加いただいている皆様へ
いつも当店の頒布会にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。

今月も新しく取引きを始める生産者を訪問してきました。訪問しなくても、メールで質問をしたり、写真を送ってもらったらいいのではと言われることがありますが、やはり現地まで赴き、取材をすると、メールでは伝わらない想いや、微妙に変化する表情などから、何となく伝わってくる雰囲気というのがあるのですよね。

今回訪問した生産者のところで、“最近ワインツーリズムに力を入れていて、2人乗りのイタリア製飛行機を使って、上空からワイン畑の説明をするというサービスを始めたのですよ。私たちみたいな小規模生産者のところには、なかなか訪れてくれる消費者はいないのですが、やっぱり来ていただき、ワインの味わいだけでなく、造っている人の人柄や、ワイン造りに対する想いが伝わって、愛好家になってくださるのです。ワインツーリズムはこうした理由から始めました。シャトーに宿泊施設を作ってみたり、ガラパーティーを催してみたりと、今は色々な取り組みを各生産者は行っていますが、私たちが選んだのが、この飛行機だったのです。”ということでした。

夕方遅くに訪れたにも関わらず、オーナー自ら運転してくださり、大変なおもてなしをしてくださいました。ただ、、、実は私、高所恐怖症でして、昔セスナに乗った時に大変怖い思いをして、それ以来絶対乗らないようにしていました。

せっかくのおもてなしを断るわけにはいかないと思って、いざ乗ってみましたが、離陸した瞬間から椅子にあった肘掛けに掴まりっぱなし、目もまともに開けていられないくらいの恐怖でした。

小型飛行機以外にも、頼まれても絶対乗りたくないという乗り物があります。それが観覧車です。ゆっくりと景色を堪能出来る方には、非常に楽しい乗り物かもしれませんが、高所恐怖症の私にとっては、あのゆっくり動くのが、非常に苦痛(笑)。ただ子供の頃は怖くなかったのですよね。無邪気に楽しめていたものが、怖い経験に変わるというのは、不思議な感覚です。

訪問も終了し車でボルドー市内に戻っていると、素敵な夕焼けに出会いました。



ボルドーの西側には、大西洋があります。大西洋側のリゾート地、アルカッションというところは、夕日が綺麗なことで有名なのですが、こうしてブドウ畑に沈んでいく夕日も、私は大好きです。

ボルドーに来て最初の頃は、ワインを勉強するために、一人で車を運転して、さまざまなシャトーを訪問していました。毎日ではないですが、集中して通うことで、語学の勉強にもなるし、ワインの知識も一気に覚えられると思っていたからです。

そんな日々の中、夕日が見えると、嬉しくなったものです。綺麗な風景に感動するとともに、空が大きく開けて見える雄大な太陽は見たことがなかったので。

でもそれは春から秋にかけての夕日です。冬に見える夕日は感動よりも、ホームシックを運んできました。異国での不安感、自分で始めた会社の先行きへの不安感、いろんな不安が冬の夕日には、どうしても感じてしまいます。

子供の頃から夕日は好きでしたし、冬の夕日も同じように感動したものですが、やっぱり大人になってから、色んなことに不安を感じるようになったのだなと思います。

それではまたお手紙書かせていただきます。
株式会社アルディス ボルドー事務所
青野 仁